湯船は埋められてしまったが……
2023年夏、悲しいニュースが飛び込んできた。8月下旬に、この土管の湯船が埋められてしまったという。もともとは足湯などを楽しんでいただけの場所だったが、十数年前に野湯マニアが土管を設置したようで、この場所の権利者も黙認をしていたのであろう。
マナーのよくない利用者がいたのか、どのような理由で埋められたのかはわからないが、それ以降、今現在もこの場所に土管の湯船の姿はない。
しかし今でも湯は豊富に湧き続けていて、決して涸れたわけではない。
湯が湧き続けている限り、野湯を楽しむことはできる。野湯探索は、自分で工事して湯船をつくり入湯することが大きな楽しみなのである。
ここの湯船もそのうちにまた復活しているかもしれない。
※一部に私有地を含む場合がありますので、野湯を訪れる際は事前に許可を取ることを推奨します。
【データ】
■平床大噴泉下の土管の湯
長野県山ノ内町平穏7148
湯田中駅からクルマで約30分
【プロフィール】
瀬戸圭祐(せと・けいすけ)
アウトドアアドバイザー、野湯マニア。NPO法人・自転車活用推進研究会理事。自動車メーカー勤務の傍ら、自転車・アウトドア関連の連載、講座などを数多く行っている。著書に、全国各地の野湯を訪ね歩いた冒険譚『命知らずの湯』(三才ブックス)、『快適自転車ライフ宣言』(三栄)、『雪上ハイキングスノーシューの楽しみ方』(JTBパブリッシング)などがある。2023年9月現在、足を運んだ野湯はトータルで約100湯。
※著者の野湯の講演会、開催決定!