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硫黄岳の「爆裂火口」を拝む! 初心者に人気の「八ヶ岳」をマイカーで日帰り登山

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八ヶ岳は北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けられます。美しい湖沼と苔の森が独特な景観の北八ヶ岳、主峰の赤岳を軸にした岩稜と岩塔エリアの南八ヶ岳と、それぞれカラーの違いがありますが、いずれのエリアにおいてもその分岐点になるのが夏沢峠です。

マイカー登山好きに人気の八ヶ岳ですが、夏沢峠へのアプローチに便利なのが桜平。今回は桜平から苔の森を経て夏沢峠を南に向かい硫黄岳を目指します。

マイカー登山者御用達「桜平駐車場(上)(中)(下)」

八ヶ岳西麓にある桜平駐車場(中)から稜線に向かうルートは、数ある八ヶ岳登山道の中でも最短で稜線に到達できるルートのひとつです。

ここで「(中)とはなんぞや?」と思われる方も多いと思います。桜平には3ヶ所駐車場があり、登山口に近い方から順に(上)(中)(下)と呼ばれています。

なかでも(中)駐車場が比較的最近に整備されたことや(上)駐車場の駐車可能台数が少ないこともあり、多くのハイカーはこの駐車場を目指しているようです。ただし八ヶ岳の登山道入口駐車場への林道ルートは悪路で、桜平駐車場(中)手前まではかなり神経を使うことになります。

【桜平駐車場】
◆収容台数:(上)約20台/(中)約60台/(下)約80台
◆標高:(上)1900m/(中)1820m/(下)1630m
◆登山口ゲートまでの距離:(上)約300m/(中)約600m/(下)約3km
◆駐車料金:無料
◆トイレ:駐車場(中)に簡易水洗

八ヶ岳の「桜平駐車場(中)」

(中)駐車場にクルマを停め起き、準備を整え8時半に出発。林道を登り登山ゲートを目指します。早朝の八ヶ岳の森散策を束の間楽しみます。登山口からは清流の沢の音を聴き、八ヶ岳ならではの苔の森を愛でることができ、一気に八ヶ岳モードにスイッチが入ります。

駐車場から30分、登山道が本格的に登りになる手前に山小屋「夏沢鉱泉」が表れます。夏沢鉱泉は標高2060m地点にあります。ちなみに夏沢鉱泉に宿泊するとJR茅野駅~桜平登山口ゲートまでの送迎サービスがあるそうです。

八ヶ岳にある山小屋「夏沢鉱泉」

10時過ぎに標高2330mにある「オーレン小屋」到着。正面には硫黄岳。ガスがかかっているのが気になります。オーレン小屋は入浴可能で食事も豪勢な鍋料理が供されるので、人気の山小屋です。もちろんテント泊も可能です。

オーレン小屋からは硫黄岳に向かうルートや北側の東天狗岳に向かうルートなど分岐も多いのですが、このように案内標識がしっかりしているので助かります。とはいえ、地図携行は必須です。八ヶ岳らしい苔とシラビソの森を歩きます。木洩れさす陽光が明るくなってきました。硫黄岳の眺望に期待がかかります。

八ヶ岳「オーレン小屋」にある案内標識

稜線に入ったら絶景を楽しみつつ先へ

11時前には夏沢峠の稜線に飛び出ることができました。正面右手に大迫力の硫黄岳の爆裂火口が広がります。壮大な景観にしばし時間を忘れてしまいます。リュックを下ろしてインスタタイム。

夏沢峠の稜線から見える硫黄岳の爆裂火口

ハイマツ帯に入るとホシガラスと並ぶ高山のアイドル、イワヒバリが愛想を振る舞いてくれました。急いてしまう心に程よいタイミングでブレーキをかけてくれました。

硫黄岳のルート上に名物のケルンが続きます。山頂までに7つあるそうです。夏沢峠から登るルートはプチアルペンな登山道でビギナーの方にはタフに感じられるかもしれません。リズムよく、でもけっして急がずに登っていきましょう。

ケルンには指導標が打ち付けられています。硫黄岳の山頂は広い岩場のため、ガスが広がった時に下山ルートを見失わないように案内標識の役割を担っているのですね。

硫黄岳のルート上にある名物「ケルン」
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