感動溢れるロングトレイルに陶酔
JMTは、人里から離れて峠を越えたところを通っています。山小屋もないので、手持ちの物資のみで、社会からも人からも離れて、絶景の大自然の中を何日も自らの足で歩き続けるという、普段の生活では到底できない体験ができるのが最大の魅力です。
もちろん全行程野営です。入山人数制限があるので、とてつもなく美しいところであっても、見渡す限り誰もいない、ということが普通にあります。大量の蚊に包まれるなどの予期せぬ困難もありますが、それを上回る感動や喜びがあるロングトレイルです。
何日も社会と断絶されたところを歩いていると、否が応でも、生きるということに向き合うことになると思いますが、私の場合は、モヤモヤしたものが取れてリセットされるような感覚があります。壮大なシエラの環境も手伝ってか、それはすっきりと気持ちの良いもので、JMTには、まだいたい、また来たい、と思わせる何か、変な言い方をすると、中毒性があるように思います。
JMTの全長は340kmあり、頑張れば夏休みに一気に歩ける距離ですが、セクションに分けてゆっくり歩くのもありだと思います。いずれにしても、人里離れている分、綿密な準備が必要です。次回はその準備や移動についてお話ししたいと思います。