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なぜそんなにじっとしているの!? 写真集やテレビCMでもおなじみの人気者「ハシビロコウ」【へんないきもの・鳥編 vol.02】

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  • 掛川花鳥園のアイドル・ハシビロコウのふたば
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動かない鳥として、最近とても人気があるのがハシビロコウです。大きなくちばしと凛々しい目も印象的。「ハシビロコウってなぜ動かないの?」「どのくらい動かないの?」など、素朴な疑問について、ハシビロコウがいる掛川花鳥園の運営管理部課長・学芸員 バード統括兼広報担当の北條龍哉さんにお話をうかがいました。

何時間でも動かずにエサの魚を待つことができる

ハシビロコウはアフリカの東部や中央部に生息している、大きなくちばしが特徴の鳥です。身体は大きく、高さは100cm~150cm程度です。じっと動かないことでも知られ、ユーモラスな雰囲気で人気となっています。

「ハシビロコウは淡水にいるハイギョなどの魚をエサにしているのですが、自分からワーッととりにいくのではなくて、じっと足元にハイギョが来るのを待つんですね。野生だと数時間はそのままじっとしていることもあるそうです。そしてあの大きなくちばしで一気にハイギョを捕まえます。ハイギョは60~90cmくらいになるそうですが、ハシビロコウの大きなくちばしならば一発で仕留めることができます」(北條さん)

意外とよく動くし空を飛ぶこともある

そんな「動かない鳥」ハシビロコウですが、掛川花鳥園では意外な姿を見せることがあるそうです。

「ハシビロコウって個体差はあるものの、うちのふたばというハシビロコウは意外に動きます。飛ぶこともあって、訪れた方はよくびっくりされていますね。飼育下ではハイギョを待つ必要がありませんから、じっとしている必要もないのでしょうね」(北條さん)

人間観察にも優れ意外に好き嫌いがある

また、世の中の事には興味がなさそうな顔をしていますが、しっかりと人間のことを見ているそうです。

「ちゃんと飼育員を見分けていて、自分の好みで態度を変えるんです。好きな飼育員が近づくとうれしそうにして、おじぎをするような友愛の動きをします。また、求愛行動のときにはくちばしをカタカタと鳴らすクラッタリングをするのですが、好きな飼育員さんに対してもするときがあります。

嫌いな飼育員が近づくと威嚇するような行動をします。かもうとするようなしぐさをするんです。ふたばは、大きな音が嫌いなのですが、作業の為に台車を運んだりするスタッフは音を出すので嫌いみたいですね。

私のような好きでも嫌いでもない顔見知り程度だと、まるっきり興味を示さず無視します。意外に相手を見分けて、好き嫌いがあるみたいです」

ちなみに髪の長かった女性スタッフが髪を切ってきたら誰だか分からなくなってしまったようで、しばらく不思議そうにしていたそうです。

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