日本百名山のひとつでもあり、阪神間の都市部に隣接する六甲山。今回は、多くのハイカーで賑わう南斜面と異なり、比較的マイナーなエリアである北斜面の「地獄谷」をハイクします。
前編では、神戸電鉄大池駅から、沢ルートを進み、入渓するところまでをご紹介しました。後編では小滝を登るところからスタートし、山上の「ノースロード」に出るまでの様子をお届けします。
小滝・ナメ滝が連続する冒険ゾーンへ
六甲山の南斜面は急傾斜の崖が多いのですが、北斜面は比較的傾斜が緩やか。この谷も、部分的には急なところもあるし、普通には登れない滝ももちろんあるのですが、わりと手ごろな小滝やナメ滝(水が表面をなめるように流れる緩い滝)がたくさんあります。
滝のすぐ横に登山道があるので、危なそうなところは潔くあきらめて登山道へ逃げられるのがいいところ。
上の写真は大滝、というほどでもない「地獄谷大滝」。ただし、落ちるとそれなりにえらいことになるので、ここは無理に登らず、右から巻きます。
自分の実力なら問題なく登れそうな、あるいは危なくなさそうな滝だけを選んで、登っていきましょう。六甲山は花崗岩の山なので、濡れていても比較的フリクションがよいのも魅力のひとつ。
見誤るとキケン! ルートチョイスは慎重に
滝は、流れの中心部に近い方が滑りにくいことが多いです。常に水が勢いよく流れているため、磨かれていて、岩そのもののフリクションが得られやすいのです。
逆に、へりの方で濡れたり濡れなかったりする部分は、コケなどがつきやすく、ぬめっていることがあります。
パッと見て「行けそう」と思っても、沢の先は見渡せないことが多いので、流れの中で行き詰ってどうしようもないところが出てくることもあります。
どう見てもソロでは登れない滝に行き当たり、左右の壁も脆そうで登れない。探してみても巻き道もない。そのような場合は、引き返すしかありません。
ちょっとした小滝で、登るのはさほど難しくないと思っても、下るのは危ない場合もあります。流れの中を進むのか、登山道に逃げるか。その判断は意外と重要です。
ルートチョイスを失敗して戻るときが、一番リスキーかもしれません。