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海の全てを解き明かす! 国立科学博物館《特別展》「海 ─生命のみなもと─」ルポ【前編】

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  • 特別展「海 ─生命のみなもと─」
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上野の国立科学博物館で、海のことを深く知れる特別展「海 ─生命のみなもと─」が開催されています。期間は7月15日(土)~10月9日(月・祝)まで。

海と地球、海と生き物、海とヒトなど、海と様々なものとの関わりを、4つの章に分けて紹介しています。今回は、そんな壮大なテーマの「海」展へ、実際に足を運んでみました。

海を知るにはまず水の起源を探ってみよう

9月初旬。夏休みも終わり、人もまばらかと思えばまったくそんなことはなく、土曜の国立科学博物館は大盛況。とりわけ「海」展は子ども連れのファミリーもいて、みんな海が好きな様子。

入り口の「海」展の大きなパネルを過ぎると、まずは第1章「海と生命のはじまり」のエリアです。海とはすなわち巨大な水のかたまりのこと。海を知るには、まず水そのものを知ることから。

そもそも、〝水の惑星〟地球には、なぜ水が存在するのでしょうか。それには、まず地球という惑星の誕生に迫る必要があります。少し進むと、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から採取した試料の展示があります。リュウグウとは、太陽系の形成初期の有機物や含水鉱物を多く含んでいると考えられていることから、「水」の研究にはうってつけの惑星だったのです。この試料の分析により、地球という惑星で水が誕生した理由の糸口が見えてきます。

そして、今回筆者が最も注目している展示の一つ、〝生きた化石〟といわれるインドネシアシーラカンスの液浸標本(えきしんひょうほん)が見えてきました。液浸標本とは魚を固定し、保存液の中に入れたもの。これはもともと福島県の「アクアマリンふくしま」で展示されていた標本で、そこでインドネシアとアフリカで発見された2体のシーラカンスが向き合うように並んでいるのを、いつか見てみたいと思っていたのでした。それが今回の「海」展で特別に片方のみ運ばれてきたということで、楽しみにしていたのです。世界初のシーラカンスの標本ということで、本展での注目度も高いはず。

ではこのシーラカンス、一体どういう過程でこの形になったのでしょうか。

現代の生き物の姿は古代から形を変えたもの

我々人間は、地球という惑星の誕生と同時に出現したわけではありません。すべての生き物は、アーキアやバクテリアなどの原核生物から始まり、それらが、地球上に存在する酸素を取り込んで生きられるよう進化したことで、複雑な細胞構造をもつ真核生物となりました。

その真核生物がさらに進化し、鰭をもつものや、四肢をもつものに進化していきます。それが、わたしたち人間や植物、菌類です。その過程を、現在見つかっている化石や骨をもとにイラストにおこし、どのようにしてシーラカンスや、サメや、ヒトへ進化していったのかが、一目でわかるようになっています。

展示されている化石とイラストの中で筆者が最もお気に入りだったのが、骨甲類の「ゼナスピス」。目なのかなんなのかわからないものが愛らしく、なんとも間の抜けた顔(顔かもわからない)をしています。最近流行りの古代魚「サカバンバスピス」もそうですが、古代生物の中で愛嬌のある顔を見てしまうとときめきます。

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