巷では空前のアウトドアブームが吹き荒れています。週末のキャンプ場には、色とりどりのテントが並び、アウトドアショップでは高価なキャンプギアが飛ぶように売れ、加熱するキャンプ用品市場を狙って、他ジャンルの企業も参入。さらには市場に流通するユーズドキャンプ用品を流通させるアウトドア専門のリユースショップが勢力を拡大し、加えてメルカリ、ヤフオクなどの個人オークションサイトでもキャンプ用品が高い回転率で売買されています。
この「第二次キャンプブーム」は、キャンプ人口の増加によりマナーやモラルを守れない人たちが増殖し、キャンプ場ではさまざまなトラブルが発生しているのも否めません。それだけでなく、キャンプ場での盗難事件も多発しており、夜間や目を離した隙に愛用のキャンプギアが盗まれることが続出してます。
これまで「キャンプは自然を愛し、人に優しい人たちの趣味」という、日本人ならではの性善説が存在していましたが、キャンプ人口が増えたことが主な原因ではないのでしょうが、キャンプギアのニーズが高まれば、そこに目を付ける輩が出没するのは当然のことと言えます。これはキャンプだけに限らず、釣り具やオートバイなども同様で、趣味としての市場価値が高まれば、それを狙った盗難事件が増えてしまうのも、悲しい事実なのです。
釣り具では車上荒らし、オートバイでは防犯用のロックやチェーンを切断して持ち去るなど手間のかかる手口での盗難になりますが、盗難をキャンプに置き換えると「盗みやすい環境」が揃っていることに気が付きます。
施錠されていないテント、ギアを並べたままの就寝、盗んだキャンプ道具を持ち歩いていても気付かれにくい環境、コンパクトさをウリにしているキャンプ道具は持ち運びやすく隠しやすいうえ、車体番号や製品番号による判別がしにくく、転売しても足が付きにくいなど、窃盗犯からすればキャンプ場は「カモがネギを背負って群れている絶好の狩り場」なのかもしれません。
そうなると、愛するキャンプ道具を守るためには『自衛』の心構えが必要であり、盗まれにくい環境を構築した「窃盗犯から狙われないサイト作り」が、これからのキャンプに求められる絶対条件になることは間違いありません。
【防犯対策01】短時間でもサイトから目を離さない
もっとも簡単な自衛方法は、自分のサイトから目を離さないこと! トイレや洗い場などに行く場合には、必ず留守番を置くこと。ソロキャンプの場合には隣のサイトに声をかけて気にしてもらうのも賢い方法です。
周囲のキャンパーたちとのコミュニケーションは、盗難を防ぐ大きな抑止力になります。長時間サイトを離れる場合には、貴重なギアをテント内に入れて、外から見えないようにするだけでも防犯効果は高まります。また、近隣に迷惑にならない程度で、ラジオや音楽を流しておきましょう。その場合には音楽番組ではなく、DJが会話している番組の方が、より人の気配を演出できるのでおすすめです。
窃盗犯は犯行を目撃されず短時間で盗みたいと考える心理があるため、人がいる気配をつくり、簡単に持ち去れないようにすることが、防犯対策につながると考えましょう。
【防犯対策02】ワイヤーロックや南京錠は必須
キャンプサイトを一般生活に置き換えると、施錠をせずに貴重品を並べているという、とても不用心な環境です。それだけに盗みやすく、窃盗犯を助長させます。テントから離れる場合にはファスナー部分に南京錠や簡単なロックで施錠し、キャンプ道具は細いワイヤーロック(ロードバイク用の細長いワイヤーロックがおすすめ)で、テーブルやチェアに繋いでおきましょう。
テーブルごと盗むことができそうですが、キャンプ場内をそんな姿で歩いていれば、目を引くので窃盗犯は避けるはず。また、ロックに熊除けの鈴などを取り付けておけば(※外せないように通しておくこと)防犯効果はさらにアップします。