走行中にシェル部分に乗車できないデメリットも
逆にデメリットがないのかと問われれば、キャンパーシェルが「荷物」扱いとなるトラキャンは走行中にシェル部分に乗車できないことが最大の弱点となります。要するにトラックの乗車定員が使用人数となり、通常の2座席であれば2人、ベンチシートであれば3人ということになり、走行中にシェル内で過ごすことはできません。
また、キャブコンはキャビンとシェル部分を一体化することでウォークスルーが可能ですが、キャビンと荷台がセパレートされているトラキャンは、シェルとキャビンを行き来することができないという不便さがあります。
トラキャンにはどんな種類があるのか?
ひとくちにトラキャンと呼ばれるカテゴリーですが、ベース車両によっては種類が分けられます。もっともコンパクトなのは軽トラをベースに使ったもので、そのコンパクトさは日本の住環境において、大きな魅力となっています。
軽トラキャンは荷台のスペースや最大積載量が限られていることもあり、シェルが小さくなってしまうのが難点ではありますが、小回りが効きベース車両の価格が安い軽トラキャンは、キャンピングカー初心者だけでなくキャンプフリークからの需要も年々高まっています。
次に乗用ピックアップトラックを使ったトラキャンですが、日本国内で市販されるピックアップトラックは少なく、アメリカ製のシボレーやダッヂ、フォード系のトラック、または逆輸入されるトヨタや日産の北米仕様モデルをベースとしたものが主流になっています。
そんななか、2017年にトヨタからハイラックスが日本導入されたほか、2024年初頭には三菱から新型トライトンの発売も予定されています。アメリカではピックアップトラックベースのトラキャンがポピュラーなスタイルになりますが、魅力的な日本車メーカーのピックアップトラックが登場することで、キャンピングシェルを手掛けるキャンピングカービルダーがさらに増えることは間違いないでしょう。
DIYしてオリジナルのキャンパーを製作することもできる
気になるキャンパーシェルはキャブコンと比較しても遜色のない快適な居住空間を確保していると言えます。ベース車両の大きさにもよりますが、ベッドやダイネット、キッチンなどを装備し、大型のものではシャワールームやトイレを装備した豪華仕様も存在します。
天井までの高さが車両個体の室内高に制限されてしまうバンコンと比較すると、積載する荷物としての高さ制限ギリギリまで使えるトラキャンは、室内高に関しては余裕があり開放的と言えます。また、コンバージョンとして車両そのものに装備が設置・固定されているキャブコンやバンコンよりも、DIYの自由度が高いのもトラキャンの魅力でもあります。トラックと切り離すことができるキャンパーシェルにはペイントを施したり、タープやソーラーパネルなどの装備品を追加することができるので、キャンプに出かけない週末は、のんびりと改造を楽しむのも一興と言えます。
トラックとキャンピングカーという一台二役を担い、税金や保険料もリーズナブルな「トラックキャンパー」は、今後さらにキャンピングカー市場で注目を集めるに違いありません。これからキャンピングカーを手に入れたいと考えているのなら、キャブコンやバンコンだけでなく、トラキャンを選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか!