こんにちは、元地下アイドルの姫乃たまです。
静岡県の伊東市に、一年中海でイルカと泳げる施設があると聞いて、やってきました。
その名も「体験型施設 Dolphin Fantasy伊東」。どんな施設なのか、全然想像がつきません。
イルカと泳ぐ……一体どうやって……?
イルカといえば、映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』の冒頭シーンですよね(ですよね?)。
地球上の生命体で二番目に賢いイルカたち(人間は一番ではなく、三番目)が、地球と、言葉の通じない愚かな人間たちにお別れするミュージカルを繰り広げます。
そう、イルカは賢いのです。こんなに何もわかっていない私と泳いでくれるか不安です。でも、賢い生き物は優しいはず、きっと。
ウェットスーツを着ていきなりイルカとご対面!
施設に着くと、かっこよく日焼けしたスタッフのお姉さんが、ウェットスーツを貸し出してくれました。
これを持参した水着の上に着用するのですが、ウェットスーツってかなりピチピチなものなので、なかなか着るのが難しい。というか最近太ったせいで、去年着ていた水着を着るのも難しい。
もしかしたら入らないんじゃないかと、冷や汗をかきながらなんとか水着を着て、ウェットスーツを着用します。シャワーを浴びながら着ると、肌が滑って着やすいと教えてもらったので、その通りにしました。
もたもた、もたもた、もたもたして、なんとかかんとか着用。汗だくです。
同じようにウェットスーツをはじめて着たという他の参加者も、かなり手こずっていました。横着して引っ張らないで、少しずつ、手繰り寄せるようにして着るのがポイントかもしれません。
ウェットスーツは予想以上に分厚くて、歩き方がぎこちなくなります。とぼとぼ歩いて、スタッフのお姉さんに「みなさんは普通に着れるものなんですか?」と聞いてみると「慣れたら30秒で着れます!」と小麦色の笑顔が返ってきました。海の女、かっこいい!
堤防を歩いて少しすると、海の中に四角い生け簀のようなものが見えてきました。どうやらイルカがどこかに行ってしまわないよう、海を網で区切っているようです。
階段を降りて、小さなイカダに乗ってその生け簀へと移動します。
移動した先の生け簀のようなスペースには、数名のスタッフさんと、参加者らしき人々の姿、そして……。
いきなりイルカがいました‼︎
イルカいた~~~! うわ、目が菩薩そっくり!
思えば、イルカって水族館のショーでしか見たことがありません。
そのせいで、どうしても大きな水槽やプールの中にいる姿しか想像できなかったのですが、ここのイルカは網に囲まれているとはいえ、海の中で泳いでいます。しかも目の前。
近くで見ると、こんなに菩薩みたいな目をしているんですね。ラッセンの絵より近い。
勇気を出していざ海の中へ!
スタッフさんに連れられて、生け簀の縁に腰掛けて、足ひれとシュノーケル、軍手を貸し出してもらいました。
泳ぎ方の講習をするのかなと思いながら着用していたら、「さあ、真ん中まで泳ぎますよ!」と言われて、動揺。えっ、ここ海じゃん。
恐る恐る「深さ何メートルですか?」と聞いたら「5~6メートルだと思います!」と元気な返事が。
無! 理!
こんな重たいウェットスーツを着てたら絶対沈みます。
いやー、でもなー、せっかく伊東まで来たしな……。ここで泳げませんというのも……。
目の前では早くも小さい子たちが泳ぎ始めています。あの子たちでも安全に泳げるんだから、大丈夫かな。いや、でもこの子たち、小学校とかで現役で水泳習ってるでしょ……。一方、私はといえば、最後に本気で泳いだのが何年前なのか見当もつきません。毎年、海には行ってるものの、あまり泳がないしなあ。
迷いながら軍手をつけていたら、お姉さんが「ウェットスーツは浮き輪一個分の浮力があるから大丈夫ですよ!」と教えてくれました。
えっ、そうなの? ウェットスーツって浮くの? 重たくてめちゃくちゃ沈みそうですよ?
どきどきしながら、言われるがまま、足先を海につけて海水を首元からかけていると、少し気持ちが落ち着いてきました。
こういうのは「緊張すると沈む」って、俳優のクリス・ヘムズワースが言ってたもんね。たしか。
勇気を出して、思い切って海に飛び込むと、想像以上に浮いた!
誰かに足先を上に引っ張られてるのかと思うくらい浮くので、腰が反って痛いほどです。
生け簀の真ん中まで泳ぐと、お姉さんが「一旦仰向けになると、まっすぐ浮けますよー」と的確なアドバイスをしてくれました。
お姉さんの冷静さにふれて、気持ちがまた少し落ち着きます。
顔を海につけて、言われた通りぐるりと仰向けになると、なぜか本当に体が縦になって、ゆったり足先を動かすだけで水中にまっすぐ浮けました。