秋の気配が漂い始める今日この頃。この夏で残ったのは、虫刺されの痕だけだったなあ…、なんてしみじみと考えている人もいるかもしれません。
たとえどんなに気を付けていても、蚊に刺されてしまうことはあるもの。
指や顔などのいやな場所を刺されたり、かゆみが何度もぶりかえしたり、痕がなかなか治らなかったりということは、誰しも経験があることでしょう。
刺されたときにどうするのがいいのか、逆に何をしてはいけないのでしょうか?
今回は「KINCHO」の商標でおなじみの大日本除虫菊株式会社と、かゆみ・虫刺され薬の「ムヒシリーズ」で知られる株式会社池田模範堂の2社に、刺されたときの対策をお聞きしました。
バツ印をつけたらダメ? 蚊に刺されたときやってはいけないこと
大日本除虫菊の宣伝部・笹岡さんは、「蚊に刺されたときにかきむしったり、×印をつけたりするのはNG」と言います。
「傷口からバイ菌が入ってしまう可能性があるのでやめて下さい。また、かきむしると傷痕になってしまうこともあります」
そうとわかっていても、特に子どもは我慢できずについかきむしってしまいがち。
「蚊に刺されたとき、一番いいのはかゆみ止めを塗っていただくことです。かゆみ止めがないとき、応急処置として冷やすと良いと言われています」(笹岡さん)
試してみるとわかりますが、氷水や保冷剤などを患部に当てると、かゆみが不思議とおさまるのです。ただし、冷やすのをやめるとまたぶり返す可能性があります。刺されたらすぐ塗れるように、薬を常備しておくのが最もよい方法といえるでしょう。
虫刺され薬を賢く選ぶためには、含まれている成分に注目!
蚊に刺されたときにつける薬についてお答えいただいたのは、池田模範堂の医薬情報グループリーダーの堀田(ほりた)さんと、総務グループ広報・社会貢献チームの山岸さんです。
虫刺され薬にはいろいろな成分が含まれていますが、なかでも覚えておくべきなのが「抗ヒスタミン成分」「ステロイド成分」「清涼感成分」だそう。
「私たちが蚊に刺されてその唾液を異物と認識すると、皮膚中の『マスト細胞』から『ヒスタミン』という化学物質が放出され、かゆみを感じる神経を刺激します」(堀田さん)
そこで必要になるのが「抗ヒスタミン成分」だそうです。
「抗ヒスタミン成分はヒスタミンの作用を抑え、かゆみや腫れを抑える、虫刺されの対処において基本となる成分です。より効き目が強い薬に配合されるのが『ステロイド成分』です」
「赤くなりやすい、腫れがひどい、長引きやすい場合に必要になるのが、優れた抗炎症作用をもつステロイド成分です。ただし、ステロイド成分を同部位に使う際は、長期間使用しないようご案内しています」(堀田さん)
メントールやカンフルなどの「清涼感成分」も重要な要素です。
「スーッとした感覚で、かゆみを素早く鎮めます。ただし、小さいお子様や、お顔などのデリケートな部分には、刺激が強く痛く感じる場合もあります」(堀田さん)
抗ヒスタミン成分はたいていの虫刺され薬に入っていますが、ステロイド成分と清涼感成分は薬により入っているものといないものがあります。薬を選ぶ際は、目的に応じてこれら3つの成分に注目してみましょう。