コロナ禍で人との接触を避けるために「三密」(密閉・密集・密接)が叫ばれるなか、買い物や旅行に出かけるにもはばかられる状況で、市場を大幅に拡大したのがキャンピングカーです。新型コロナウイルスの感染拡大が終息したあとも、キャンピングカー人気は衰えることなく、さらに車中泊ブームも追い風となり、『キャンピングカー白書2023』(日本オートキャンプ協会発行)によると、2022年の登録台数は前年比+9000台となり、国内の保有台数は14万5000台を数えています。
キャンピングカー人気の理由とは?
キャンピングカー人気が追い風となった理由の一つは、前述のコロナ禍が影響していますが、日本のレジャー文化として、車中泊などのくるま旅が安心・快適に楽しめるRVパークが増加したことなども一つの要因と言えます。
また、キャンピングカーと言えばトヨタ・カムロードなどをベースにしたキャブコンバージョンなどのイメージがありますが、最近では軽自動車のバンやトラックベースの軽キャンパー人気も高まり、比較的手軽に本格的なキャンピングカーが手に入るようになったのも、キャンピングカー人気を押し上げた理由と言えます。
様々なタイプがあるキャンピングカー
一口にキャンピングカーと言っても様々なタイプがあります。車体の大きさ順にそれぞれのモデルの特徴を解説しましょう。
「フルコンバージョン」(フルコン)
専用シャーシをベースに、キャンピングカービルダーが独自のボディを架装して製作したモデルが「フルコンバージョン」です。国土が狭い日本では、キャンピングカーショーなどのイベントに出かけないと、なかなかお目にかかることができない存在です。
国内での製造はなく、基本的には欧米からキャンピングカービルダーが輸入したモデルが販売されています。最大の魅力は高級ホテルのような広々とした居住スペースを備えている反面、デメリットは7〜9mに及ぶ全長と破格のプライスとなり、まさにキャンピングカー界のとトップ・オブ・トップと言える存在です。
「バスコンバージョン」(バスコン)
トヨタ・コースターなどのマイクロバスベースのキャンピングカーが「バスコンバージョン」。6m超の全長があることから、車内中央にダイネットを備え、後部にベッドスペースがレイアウトされるなど、フルコンバージョンほどではないにしても、贅沢な2ルーム仕様によって居住&快適性の高い車中泊が楽しめます。
「キャブコンバージョン」(キャブコン)
運転席のある箱部分(キャブ)を残し、後方に居住スペースをモディファイ(改造)したキャンピングカーが「キャブコンバージョン」です。
トヨタ・カムロードなどをベースにしており、サイズは全長約5.2m×全幅約2.1m×全高約2.9mとなり、決して小さくはないサイズ感で、運転に慣れるまでに少し苦労するかもしれませんが、その分リビングが広く常設ベッドを備えるなど、窮屈さを感じさせない居住空間が魅力です。
「バンコンバージョン」(バンコン)
トヨタ・ハイエースや日産キャラバンと言った箱型バンをベースにしたキャンピングカーが「バンコンバージョン」です。ベース車両は、ハイエースもしくはキャラバンのなかで最大サイズのワイドボディ・スーパーロング・ハイルーフのスリーサイズは、全長5380mm(ハイエース)・5230(キャラバン)×全幅1880mm×全高2285mmとなり、決して運転しやすいサイズとは言えません。
ただし、ボンネットを持たないことから運転席からの見切りの良さもあり、慣れてしまえば日常使いできるサイズ感と、必要にして十分なキャンピングカーとしての居住スペースを両立することが魅力となります。
ほかにも、軽キャンパーやクルマで牽引することができるトラベルトレーラーなどもキャンピングカーの一つと言えます。