スマートウォッチがありがたいガイド役に!
しばらくはシラビソとコメツガの森の、ややザレ気味のルートを辿ります。本格的急登に汗ばみ始め、登山道入口から1時間弱ほどで標高2200mの展望ポイント「天狗の露地」に到着。登山道から道を外れて5mほど先に、そこだけ突如開けた岩場が現れ、美ヶ原越しに北アルプス山嶺が一望できます。立山連峰から槍ヶ岳~穂高山系などが雲間にチラ見え。手前には女神湖ブルー。絶景のサービスショットに感激です。足もとは、かなり危険な岩場なので注意深く休憩ポイントを探します。
ここでGPSスイッチを押してみました。高度表示は2212m。地図上ポイントと実際の計測場所には多少のズレがあるので、この誤差は許容範囲だと思います。表示の「総上昇量」は325m。モードは心拍数です。心拍数133はスタッフの運動レベルにシンクロしています。
ここから蓼科山の岩場悪路が顔を見せはじめます。将軍平までは、まだ土面が見えるので歩きやすい方ですが、少しでもルートを外すとザレた石で踏み外すことも。とくに下りは要注意です。
蓼科山頂ヒュッテでオコジョがお出迎え?
将軍平を経て、いよいよ蓼科山の難所が顔をむき出してきます。大きな石を全身を使って登っていきます。短いですが一部には鎖場も。降雨時など石面が濡れた場合などは助かります。
山頂には「まだ15分もあるのか」「もう15分で着くのか」受け取り方は人それぞれですが、背中を押してくれるひと言ではあります。蓼科山のアイコンのひとつです。
山頂直下の蓼科山頂ヒュッテ着。長い歴史を持つ小さな山小屋は、大自然の中で音楽を楽しめる小屋としてファンに愛されています。こだわりのオーディオシステムが組まれているそうです。また、運が良ければ小屋の周りで「オコジョ」に逢えるかもしれません。
山頂です。蓼科山が火山であったことを認識する荒涼とした岩場が広がっています。すべてが岩。その中心に神社奥宮。小さな祠があります。無事の到着を報告し、開けた場所で山ランチです。
山飯を戴きながらトレーニング効果をチェック
今回の山頂ランチは100円ショップのダイソー素材を使ったイタ飯。ナポリタンとリゾットの炭水化物エネルギー100%ランチです。ボロニアソーセージの圧倒的存在感と目玉焼きを盛り付けたナポリタンパスタと、メスティンでコーンポタージュベースで煮詰めたリゾットで、下山に向けてエネチャージします。
登りと同じルートをピストン下山しました。総上昇量は603m。ほぼ計算どおりなのですが、総下降量が486mという誤差が気になりましたが、下山中に停止/再開モードらしき表示になっていたことで納得。心拍数109の表示からわかるように下山路終盤は緩やかで心肺へのストレスが軽度であることが理解できます。
下山後に履歴を呼び出してみました。トレーニング効果については今回の登山は有酸素4.6、無酸素0.5の強度という表示。激しい有酸素アクティビティで有酸素ベースと持久力が大幅に向上し、一方でこのアクティビティは無酸素運動に関する効果が見受けられなかった、という測定結果でした。登山強度を数値で把握できるのもガーミンのメリットです。標高2000m以下でもシビアな丹沢登山での数値と比較できるようになると、より登山の練度を引き上げる目安にもなりますね。
【まとめ】
ガーミン最新モデルのインスティンクト2Xデュアルパワーで登山モードを実際に使用してみました。最新ガジェット系に弱いソトラバスタッフには、インスティンクト2Xは超スペックオーバーなスマートウォッチですが、今回のように登山限定で使えばセルフコントロールに役立つことを実感できました。
登山には不測な事態がつきものです。自身のコンディションを含め、第三者的な視点をスマートウォッチが持つことは、安全登山において重要な要素なのだと思います。フルにそのスペックを使い切るには相当の山行数を重ねて試行錯誤する時間も必要だと実感しました。
今回は日帰り登山のため、驚異的なバッテリーライフを誇るガーミンの強みを実感するまでには至りませんでしたが、機会を持って2泊3日からの縦走を体験し、その効果を報告できればと思います。
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