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旅の本屋「のまど」厳選! 「今すぐ冒険に出たくなる本 vol.08」『野宿入門』 

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  • 「野宿入門」段ボールを手に入れよう(3)
  • 「野宿入門」段ボールを手に入れよう(2)
  • 「野宿入門」段ボールを手に入れよう(1)
  • 野宿者でにぎわう東屋
  • 寝袋にはいってる
  • お寺の軒下で野宿
  • 宴会野宿

旅の本屋「のまど」の店長が、店頭に並ぶ本のなかから、外にでかけてみたくなるキャンプ・アウトドア好きのための本を選びます。今回は、野宿に魅了されたある女性がつくった、野宿愛あふれる一冊をご紹介。川田店長の野宿エピソードにも注目です。

野宿はネガティブではなく素晴らしいもの

本書は、世にも珍しい野宿専門のミニコミ誌『野宿野郎』の発行人である著者が、日常を非日常に変える野宿の魅力を、これまでの野宿エピソードを交えつつユーモラスに綴った1冊です。

世の中の一般の人は、野宿といったらどんなイメージを抱くでしょうか? というか実際に野宿をしたことがある人は一体どれくらいいるのでしょうか? おそらく、大半の人は野宿をほとんど経験したことがないはずで、あったとしても酔っぱらって終電を逃してしまい、公園のベンチで仕方なく夜を明かすとかぐらいだと思います。そう、野宿というのは、「仕方なく」するもので、自ら好き好んでするものではないはずです。

宴会野宿

私は旅をしている時に何度か野宿をしたことがあるのですが、大抵の場合はお金を節約するために仕方なく駅のベンチや砂浜や商店街のアーケードの中で段ボールを引いて寝たり、宿が満室でどこも部屋がなくて仕方なく公園のベンチで夜を明かすことになり、止むにやまれず消極的な理由で野宿を選択していました。

ところが、本書の中で、かとうさんは野宿の素晴らしさを世に広めて、積極的に野宿をすることを提唱しているのです。

いろいろなものから自由になれる

そんなかとうさんが提唱している野宿の面白さはいくつかあるのですが、個人的に共感できるのは「野宿に自由を感じる」というところです。彼女は中学生の時に野宿に憧れを抱いて、15歳の時にはじめて一人で野宿を経験します。その時に、何物にも縛られない野宿というものに自由を感じたかとうさんは、その後高校生、大学生と野宿経験を重ねて、大学を卒業してからもミニコミ誌『野宿野郎』を立ち上げるなど、野宿の虜になっていくのです。

お寺の軒下で野宿

私も若い時に仕方なく旅先で何度か野宿をしましたが、街中や自然の中で建物や寝床から解放されて、自分の好きな場所を自由に寝床として選んで好きに寝るという行為は、「何をやってもいいし、どうやっても生きていけるのかも」という自由な精神を感じるにはもってこいの行動だなと実感しました。

また、本書では、野宿のための道具選びのポイントや状況にあった最適な場所の選び方といった、野宿を実践するためのスキルやテクニックについても彼女のほんわかする下手ウマのイラストとともに細かく紹介しています。

寝袋にはいってる
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