自宅で飼っている犬や猫を撮影するとき、思うようにいかなくて案外難しいと感じることはありませんか? 人間に慣れている動物でも狙った通りに撮れないというのに、これが野生の動物だったら……!?
こんなときこそ、望遠レンズの出番です。「子どもの運動会を撮影するときぐらいしか使わない」という方、必見です。
旋回しているタイミングがシャッターチャンス 【トビ】
野生動物の中でも遭遇率が高いのは、トンビと呼ばれることが多いトビ。とくに湘南や江の島あたりの海岸沿いでは、たくさんのトビが悠々と待っている姿を目にします。
冒頭の撮影例は、レンズは手が届きやすく保有者も多い300mmで撮ったもの。500mmぐらいまで撮れる望遠レンズだとより安心です。シャッタースピード優先(S・Tv)モードにして、シャッターは連写に。シャッタースピードは1/2000以上で、許せる範囲でより上げてみるのが良いでしょう。
被写体を追従できるモード(AIサーボ、AF-C)にすれば、チャンスを活かしやすくなります。また動物優先の瞳AFがある機種は、そちらの設定もお忘れなく。これで成功確率がぐんとアップします。
300mmまで伸ばしたレンズを振ってトビの動きに合わせて追いかけると、ブレたり、フレームアウトしてしまったりすることもしばしば。そんなときには、トビの動きを一旦じっくり見てみましょう。
旋回したり、右へ左へとゆらゆらと舞ったりするトビ。左右に動いたときは要チェックです。逆側に方向転換する際には、トビのスピードが幾分遅くなります。ここで撮ると、トビの迫力あふれる姿をカメラに収めることができるでしょう。
また、1羽だけで撮ろうとせず、複数のトビを入れて撮るのもおすすめ。大きな羽根を広げて空を悠然と舞っている様子は、こちらのほうがよく伝わります。
余談ですが、湘南のトビは人に慣れていて、ビーチで海を見ながらさあ食べようかな、と口に運ぶ一瞬の隙を突いて、食べ物を奪っていきます。手持ちしている白いビニール袋も、「食べ物が入っているだろう」と思われて結構狙われます。食事のときも、上空のトビの動きに最大限の注意を払いましょう。