もしものときの心強い〝お守り〟
18歳以上、写真付き身分証明書の提示が必要で、レンタル料金は1日1100円。事前に15~20分のレクチャーを受けてからの貸し出しになります。
山などに入る観光客側が、その存在を先に知らせ「クマに避けてもらう」ことが大切です。「ヒグマとの軋轢」を生まないため、まずは「ヒグマに会わない」ことが大前提ですが、もし、ヒグマに「バッタリ遭遇」してしまったときのためのカウンター(反撃)として、クマ撃退スプレーは持っておくと心強いアイテム。
飛行機を使って知床に来る観光客は、スプレー缶を荷物として持ってくることができない、またクマ撃退スプレー自体が高価である、という事情もありレンタルを利用する人は多いのだとか。
「ただ、なかには虫よけスプレーのような使い方だと勘違いする人も多く、事前のレクチャーではその危険性も含めてしっかりお話をしています。スプレーは辛み成分のカプサイシンなので、風向きによってもし自分に降りかかってしまったら、目も開かず呼吸もできなくなってしまうほどです」
クマ撃退スプレーそのものが「危険物」なので、取り扱いには注意が必要のようです。そして、もしもクマがこちらへと向かって走ってきたとき、正しく使うことがもっとも重要です。
まずすぐに手に取れるよう、ホルスターにスプレーを入れ腰につけておくこと。必要時には冷静にホルスターから抜き、安全装置を外し、有効射程距離(5~6m)に入るまで待ちます。そして、クマの目・鼻・口の粘膜を狙ってスプレーを噴射してください。
ほかにも野営用にフードコンテナのレンタルなどもあるので、知床を訪れた際には、クマ対策にしっかり備えるため利用してみてはいかがでしょうか?
クマ撃退スプレーのレンタルについては知床自然センターで行っています。個数が限られているのでご注意ください。
【取材協力】
■知床財団