人物写真を撮るとき、どんなことを意識してカメラを構えるでしょうか。自然な笑顔のような、素敵な表情をカメラに収めようとするのもいいですが、たまには変化球的な撮影で表現の幅を広げてみませんか。
「がっつり顔出しするのは恥ずかしい」という場合にも使えますよ。
逆行を使ったシルエット写真で人物を際立たせる
写真で非常に多い失敗例は、「逆光で顔が真っ黒になった」というもの。誰もが過去に1枚は撮ったことがあるかと思います。表情だけでなく、服装もまったくわからず残念な仕上がりにがっかり……。
でも、それを逆手に取って、人の姿が黒いシルエットになるように意識して撮ってみるとどうなるでしょうか。
輪郭が際立ち、印象的な1枚が生まれます。逆行ではレンズにゴースト(光の映り込み)が発生することがありますが、それも雰囲気として取り入れるのもいいでしょう。この場合、レンズにゴーストが入り込む位置を探して積極的に取り込むと面白い効果になるでしょう。
自然をバックに撮影するほか、何かアイテムを手に持たせて撮るのも、目を引く写真が生まれるきっかけになります。
反射を利用して幻想的な雰囲気を作り出そう
波打ち際などの水辺や、街中の水たまりを使って被写体を反射させた写真を撮るのもおすすめです。南米にある雨季のウユニ塩湖のようなイメージ、といえば伝わるでしょうか。
ここでやってみたいのは、反射だとわかるように本来の姿を画面に残しつつも、水面に映った姿を主体にすること。
……いったいどういうことだろう、と思いますよね。それでは、まず残念な例をお見せします。失敗というわけではないのですが、もうひとひねり欲しいと思いませんか?
では、写真を180度反転させてみます。
反転させることで「あれっ!? これどうなっているの?」と新鮮な印象を与えることができます。
ここでポイントとなるのが、見せたいと思う部分を際立たせること。水面に映った姿にフォーカスしたいので、顔の部分はあえて反転させた側のみ残しています。