きびしい環境で死んでしまう鳥もいる
そんな中、何日も台風が続いたり、ものすごい暴風雨でぬれてしまったりすると、やっぱり体温が下がりすぎて死んでしまう鳥もたくさんいるとか。
「2019年の台風15号が関東を通過したとき。スズメが埼玉で数千羽死んでしまいました。街路樹に身を寄せていたんですけど、ずぶぬれになってしまったようです。しかもこのスズメたちの多くは、その年に生まれたヒナがやっと大きくなって、これからっていう鳥たちだったんですね。むずかしい状況になれていなくて、体力もなかったので、冷えて死んでしまったようです」
きびしい自然の中で生きている鳥たちにとって、台風は人間以上に怖いものなのかもしれません。鳥たちは、どんな思いで台風をやり過ごしているのでしょうね。
【取材協力】
日本鳥類保護連盟(にほんちょうるいほごれんめい)
野鳥をはじめとする野生生物を守ることと、その活動を広めることを目的とする団体。昭和22年に設立。これまで希少猛禽類を守ることを目的とした調査のほか、さまざまな鳥を調査・研究。現在は、絶滅危惧種である「コアジサシ」の調査や、外来種の「ワカケホンセイインコ」の野生化問題についても研究を進めている。