夏休みの自由研究で、自分ひとりでは解決できなかったことはありませんか? 特別企画「ソトラバこども相談室」では、「〝ソト〟の不思議を解決します!」をテーマに、専門家の方々に素朴な疑問をぶつけてみました。「鳥編」では、日本鳥類保護連盟(にほんちょうるいほごれんめい)の岡安栄作さんにお答え頂きます。
台風から身を守る鳥たちを目撃!
「私も、台風のときはどうしているんだろうを思っていましたが、ついに目撃しました。台風が来たときに、私の自宅の窓ガラスの外で鳥たちが休んでいる様子です。窓の外にムベというアケビに似たつる性の木があって、そこでじっとしていました」
「暴風雨の中、スズメたちがねぐらになっている大きな木に入っていく様子も見ましたが、ずぶぬれでじーっとしています」
ぬれないところにいるのではなく、ぬれてしまうんですね。
「なかには橋の下とか雨のあたらない場所に避難する鳥もいるようなのですが、この時目撃したスズメはずっとぬれていました。かっぱを着ることもできないですしね。夜中もずーっと〝はづくろい〟しながら、台風が過ぎ去るのをじーっと待つだけです。思わず、家の中に入れてあげたくなります。」
雨が降っているときも鳥は食べている!
雨が降ってぬれてしまったら、重くなって鳥たちは飛べないですよね?
「いえいえ、鳥たちっていうのはちょっと雨がふっているだけなら、エサを食べていますよ。多少ぬれても、羽根が雨をはじくので飛べるんです。
鳥というのは、とにかく食べないと生きていけない生き物なので、多少のことでは食べることをやめません。ずーっと食べています! お腹にエサをためられないんですよ。食べたらすぐに出さないと体が重くて飛べないからです」
ツバサがぬれて飛べないのでは……と思いきや、そんなことはないのですね。ぬれないことよりも食べるほうが、鳥にとって大切なのです。
「もちろん、台風となったら別ですけどね。ぬれ続けて、体が冷えてしまうことのほうが命に関わります。ねぐらだったり、建物のすきまだったりとかで、雨風から身を守って台風をやり過ごすようです。」