木の上で寝る鳥はどうして落ちないのか
人間は立ったまま寝ることができませんが、鳥はなぜ木にとまったまま寝ることができるのですか?
「それは鳥の骨格に秘密があります。足の指で木をつかんで、関節を曲げると木をつかんだ指が、ぎゅっと自動ロックするつくりになっているんです。そのおかげで、木から落ちないんですね。力を入れて枝をつかんでいるのではなく、体重と体のつくりを使っているので、力を無駄づかいせずに休むことができます」
「これはカラスの足なんですけど、腱(けん:骨と筋肉をつなぐもの)があって連動しています。足の骨が下に向かって動くと、指がきゅうっと閉まる様子が見れます」
木の上で寝るために、その骨格になったのか、その骨格があったから、木の上で寝るようになったのか……。
鳥たちが寝ているときの様子がよくわかりました。寝ている写真はないですか? と聞いたところ、鳥が寝ているときは夜なので写真にとるのはむずかしいそうです。ストロボで明るくするといっせいに逃げてしまいますし、寝ているのでそっとしてあげたい……。なので、ねぐらは実際に見に行くしかなさそうです。ぜひ、みなさんもお家の近くで探して見てくださいね!
【取材協力】
日本鳥類保護連盟(にほんちょうるいほごれんめい)
野鳥をはじめとする野生生物を守ることと、その活動を広めることを目的とする団体。昭和22年に設立。これまで希少猛禽類を守ることを目的とした調査のほか、さまざまな鳥を調査・研究。現在は、絶滅危惧種である「コアジサシ」の調査や、外来種の「ワカケホンセイインコ」の野生化問題についても研究を進めている。