巨大な鳥「シマフクロウ」のための巣箱
巣箱とは、木の穴を使って巣を作る鳥たちのために人間が用意したものです。穴ができるような木がない場所でも、鳥たちが巣を作れるように考えられました。
「ちなみに巣箱で面白いのは、これです」
と、1メートルはありそうな、土管のような大きな筒を指す岡安さん。
「北海道にいる絶滅危惧種のシマフクロウのための巣箱です。彼らは、木の穴の中でしか巣を作れないんですが、彼らの大きさが全長70cmほどあるために、樹齢300年とかの木じゃないと作れないんですね。でも、今は木が切られてしまってそんなに大きな木がないんです。木が育つまでの間は巣箱を使ってもらおうと、これを木の上に設置します」
北海道の冬はとても寒いので、中にウッドチップをひいておきます。そうすると、卵がヒナにかえりやすいそうです。
人間と一緒に生きていることで生きにくくなってしまった分、またそれを人間がサポートするという様子を見て、一緒に生きるってこういうことなのかなと思ったりしました。
鳥の種類によって、いろんな材料を使った巣があることが、よくわかりましたね。同じ種類の鳥は、だいたい同じ巣材を使って同じような形に作るのだとか。鳥の世界は、まだまだ不思議がたくさんかくれていそうです。
【取材協力】
日本鳥類保護連盟(にほんちょうるいほごれんめい)
野鳥をはじめとする野生生物を守ることと、その活動を広めることを目的とする団体。昭和22年に設立。これまで希少猛禽類を守ることを目的とした調査のほか、さまざまな鳥を調査・研究。現在は、絶滅危惧種である「コアジサシ」の調査や、外来種の「ワカケホンセイインコ」の野生化問題についても研究を進めている。