鳥の行動から人間の生活の変化もわかる
「最近はなくなったんですけど、昔はタバコのフィルターがよく入っていました。ポイ捨てする人がいなくなったり、禁煙ブームで落ちていることが無くなったんですね。そういうことも、鳥を観察することでよくわかるんですよ」
本当に〝人間と暮らしている〟ということがよくわかる例ですね。
「そうそう。スズメというのは、人のいないところにはいないんですよ。無人島にはいない。山の上にもいません。過疎化の進んだ村で、家が20軒以上ないといなくなるという学説もあります。本当にスズメは人間が生活している中で生きていて、巣を作る、卵を産んでヒナを育てる、エサを食べる、敵から身を守る、ということのために、おそらく稲作が始まったくらいから、人間とずーっと一緒にいるのではと思います」
鳥の巣について考えることで、「鳥たちがどんな暮らしをしているか」まで、わかりましたね。身近な鳥たちが、私たちの見ていないところでどんな行動をしているかなど、巣を調べるだけでもたくさんのことがわかりました!
【取材協力】
日本鳥類保護連盟(にほんちょうるいほごれんめい)
野鳥をはじめとする野生生物を守ることと、その活動を広めることを目的とする団体。昭和22年に設立。これまで希少猛禽類を守ることを目的とした調査のほか、さまざまな鳥を調査・研究。現在は、絶滅危惧種である「コアジサシ」の調査や、外来種の「ワカケホンセイインコ」の野生化問題についても研究を進めている。