親自身も楽しむことが何より大切
好奇心が強い子どもほど、学習に向かう意欲が高く、学力も上がりやすいという傾向があるそうです。
「やはり強制的にやらされるより、自分から興味を持って、自発的に調べて探求していく方が、知的好奇心が満たされて充実感が得られ、そこで得た知識も身につきやすくなります。ですから、親は決して無理強いや誘導をするのではなく、子どもが何にどのような興味を持つのか、じっくり見守る姿勢が大切です」
つい「理科の勉強に役立つから……」などと先回りして誘導したくなるかもしれませんが、ぐっと我慢して、子どもの自発的な好奇心がどこに向かうのかを観察しましょう。
「なお、家族でアウトドアに出かける際に注意したいのは、親が『子どものためだから』とか『成績が上がるから』などと、本当は行きたくないのに無理して行くことはしない方がいい、という点です。
子どもは何でも大人の真似をして学習しますから、親がいやいや参加していたら、すぐにそれを察知して自分も乗り気ではなくなってしまいます。
逆に、親が自ら率先して楽しんでいたら、子どもも安心して一緒に楽しめます。私自身も子どもをよくアウトドアに連れていくのですが、子どもそっちのけで昆虫を追い回したりしています(笑)。親が一緒になって楽しむことも、一つのポイントといえるでしょう」
【プロフィール】
瀧 靖之(たき・やすゆき)
1970年生まれ。東北大学加齢医学研究所教授。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを研究。著書に『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)、『アウトドア育脳』(山と溪谷社)など。