脳には「可塑性」があり自在に変化する
では、そもそも「脳」は「育てる」ことができるのでしょうか?
「一昔前は、人間の脳は生まれもってのもので、いわゆるIQ(知能指数)も含め、ずっと変わらないという説が有力だったのですが、最近は脳が『可塑性(変わる性質)』を持ち、途中からでも自在に変化するといわれています。努力すれば『脳は育つ』ということです。しかも、何歳からでも、何をやっても伸びる可能性があるのです」
たとえば、「数学が苦手だったから、計算ができない」とか「ピアノは〇歳までに始めないと手遅れ」などといわれることがありますが、そんなことはなく、あきらめる必要はないそうです。
「それは、たまたまその機会が少なかったり、効率的に行う方法が身につかなかったりしただけで、一生変わらないというわけではありません。確かにこの可塑性は年齢が上がるほど変化率が低下するといわれていますが、それでも努力すれば確実に反映されるので、脳を育てることができるのです」
そこで、次回からアウトドアで育むことができる①好奇心、②コミュニケーション能力、③自己肯定感の3点について、具体的に見ていきましょう。

【プロフィール】
瀧 靖之(たき・やすゆき)
1970年生まれ。東北大学加齢医学研究所教授。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを研究。著書に『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)、『アウトドア育脳』(山と溪谷社)など。