四季を感じる草花図鑑 vol.03 美しさと繁殖力のいずれもケタ違い【タカサゴユリ】

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タカサゴユリ? テッポウユリ? シンテッポウユリ?

花の内側も外側も真っ白な、南西日本原産のテッポウユリと、タカサゴユリを交配した「シンテッポウユリ」という園芸種があります。

実は、野生化して広がっているタカサゴユリの中には、このシンテッポウユリと見分けのつかないものがあります。

タカサゴユリは、花は白いのですが、花の外側に紫褐色の筋がうっすらと入るのが特徴。

シンテッポウユリなら外側も真っ白のはずなのですが、観察してもどちらかわからない株が、ときどきあるのです。

その理由として、タカサゴユリとシンテッポウユリ(片親はタカサゴユリ)が自然交配して、ハイブリッドが生まれている可能性が考えられます。

これらの分類に関しては、10年ほど前から、外来種植物の問題に注目している人々の間では、よく話題になっています。

愛でるべきか抜き去るべきか?

外来種問題について取り扱っている国立環境研究所では、注意すべき外来種について、侵入生物データベースで紹介しています。

法律によって栽培が禁止されている「オオキンケイギク」などとは異なり、栽培の禁止や駆除などに関する法的な扱いは、今のところありません。

ただし、「自然植生に対して悪影響が及ばないよう、適宜管理を行う必要がある。生態影響にかかる実証データの収集が急がれる」ということですので、引き続き、注視していきたいところです。

在来種と外来種が交雑すると、元の日本固有の品種が失われてしまう可能性があります。外来種の野生化については、しっかりと事態の成行きを見守る必要があるでしょう。

※「侵入生物データベース」によるタカサゴユリの侵入情報は、2023年8月現在のものです。

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