「赤いクワガタムシ」は見つけても触るな!
沖縄から西日本エリアにかけて分布している「ヒラズゲンセイ」という昆虫は、鮮やかな赤色で、体長3cmほど。見た目はクワガタムシに似ていますが、ツチハンミョウ科の昆虫です。
「毒成分を持っているため、素手で触れると皮膚がかぶれたり、水膨れになったりすることがありますので、扱うときには手袋をしたり道具を使うほうが無難です。素手で触ったときは、特に刺激を感じなくても念のため手を洗ったほうが良いでしょう。」(坂本さん)
また、「元々は温暖な西南日本にしかいなかったものが、徐々に生息域が広がって、北上してきています」と坂本さん。
分布が拡大しているとは言え、鹿児島県・高知県・徳島県では「準絶滅危惧種」に指定されている希少生物でもあります。もし見つけても、触ったりせずそっと見守りましょう。
【取材協力】
■坂本昇(さかもと のぼる)
プロフィール:伊丹市昆虫館館長、学芸員。専門分野は博物館教育で、伊丹の地域性を活かしたイベント事業「鳴く虫と郷町」などを担当。日本博物館協会棚橋賞、日本展示学会作品賞、論文賞などを受賞。