言われてみれば当たり前。でもいざキャンプ場へ行ったら気持ちが高ぶって、気づかずNG行為をしていた——そんな経験や目撃談、ありませんか。初心者キャンパーだと気づきにくい、でもキャンプ場では当たり前のマナー4つをアウトドアインストラクターに教えてもらいました。
クルマで寝ていいですか?
→絶対にエンジンをかけてはいけません
クルマを横付けできるオートキャンプでは、テントではなくクルマで寝たいという人もいるかもしれません。車内泊そのものに問題はありませんが、暑さ・寒さをしのぐためにエンジンをかけてエアコンを使うのは絶対に慎みましょう。
エンジンの音以外にもコンプレッサーの作動音は騒々しく、アイドリング状態では走行時と比べて触媒(排ガス浄化装置)の機能が著しく低下。人体や環境に有害な一酸化炭素ガス、窒素酸化物を周囲に撒き散らすからです。
暑さは我慢するしかありませんが、寒さは防寒着や耐寒性能の高い寝袋などでしのぐことができます。事前の準備を怠らないようにしましょう。
付け加えると、持ち運びできるガソリンエンジン式の発電機も、騒音・排ガスという点はクルマと同じ。使用を禁止しているキャンプ場がほとんどです。
ワンコを連れて行きたいのですが…
→ノーリードや排泄物の放置などのルール・マナー違反が問題になっています
ペット(犬)を連れて利用できるオートキャンプ場は全国に数多くあります。なかには場内にドッグランが付設されていたり、区画をフェンスなどで囲い、犬が自由に走り回れる専用区画を設けたキャンプ場も。大事な家族の一員と自由な時間を満喫できるのはうれしいことです。
ところがここ最近、リードにつながず場内を散歩させたり、ロッジやコテージなど同伴禁止施設への立ち入り、排泄物の放置などのマナー違反、さらに無駄吠えやほかの犬とケンカ、ほかの利用者に噛みついたり……といった看過できないトラブルが頻発。ペット同伴を禁止にしたキャンプ場も少なくないと聞きます。
すべての責任は飼い主にあります。キャンプ場を訪れる利用者の中には犬が苦手な人もいます。決められたルール、モラルは必ず守りましょう。
調理の際、何に気をつければいいですか?
→環境・周囲への配慮が不可欠です
キャンプ場ではバーベキューなど、調理の際の火の取り扱いについてルールが必ず設けられています。
多くの場合、火が使える場所は決められていて、芝生などを保護する目的で直火(地面の焚火)を禁じているケースがほとんど。たいてい、地面との間に十分な間隔を確保できる焚き火台などの器具の使用が求められます。
また消火で火が完全に消えていることを確認することが肝心です。とくに炭の場合、一見消えているように見えてもまだ熱をもっていて、不用意な廃棄が火災の原因になることがあるからです。
焚火で使った炭を廃棄するための専用容器を設けたキャンプ場も多いので、ぜひ活用してください。水をかけての消火はもっとも危険なのでNG。水蒸気爆発を起こし、爆(は)ぜた水が顔や手、腕を直撃して大ヤケドを負うこともあります。
石で組んだカマドなど、自然物を使った際は必ず元に戻し、調理で使った大量の熱湯などを草地や芝に撒くなどもダメージを与えるので絶対に慎むべきです。さらに、調理の際の火や煙が迷惑にならないようにするなど、周囲への気遣いも忘れないようにしましょう。