岩手県の沿岸北部に位置する野田村は、太平洋に面した三陸の小さな村です。村の中心部はきっちり整備されていますが、山奥の方はのどかな自然のなかに茅葺きの宿などもあり、まるで昔話のような世界が広がっています。
じつはこの野田村には、まるで〝縄文時代の食〟のような特産品があるのだとか! 今回はキャンプ場に持ち込んで食べたい「野田村のおいしいグルメ」をご紹介します。
いずれも野田村の道の駅「のだ」にある産地直売所で購入できるので、キャンプ場の行き道にゲットしましょう。
山で修行僧が食べていた幻の山菜【行者にんにく】
「行者にんにく」。シャキシャキとした食感と、にんにくのような香りが特徴的な山菜です。滋養強壮効果が高いネギ属の草で、山で修行していた人(行者)が力をつけるために食べていたことから、この名前が付けられたとされています。
しかし、行者にんにくは北海道をはじめとした、一部の涼しい気候の場所でしか育たず、収穫のタイミングはわずか一週間ほどしかありません。加えてそのおいしさや栄養価の高さから乱獲され、数が激減しており、今では〝幻の山菜〟と呼ばれています。
そんな行者にんにくですが、じつは野田村でも採ることのできる隠れた名産品でもあります。道の駅「のだ」では、時期によっては、行者にんにくの醤油漬けを買うことができますよ。
濃厚な醤油に漬けられた行者ニンニクの味は、なかなか強烈です。噛みしめるほどに、旨味と辛味がギューッと染み出してきます。炊きたてのアツアツご飯に乗っければ、ご飯が進んで進んで止まりません。これなら料理が苦手なキャンパーでも、満足の一食ができあがり。
うどんのトッピングとして加えたり、酒好きならそのままつまんだりしてもOK。
「身体によし、味よし、アレンジよし」の、幻の山菜の醤油漬け。店頭で見かけたらぜひ購入をおすすめします。
縄文時代のチョコレート菓子?【どんぐり団子】
道の駅「のだ」で購入可能なおいしいグルメ。つづいて紹介するのは「どんぐり団子」です。
「えっ? どんぐりって食べれるの?」 と思う人も多いかもしれませんが、じつは縄文時代には貴重な食料源として、全国で一般的に食べられていました。
稲作が始まってからは全国的には食べられなくなっていきましたが、野田村周辺の地域は冷涼で米があまり獲れなかったので、凶作の年でも実りやすいどんぐりが長い間重宝されていたのです。
どんぐり団子が購入できるのは、道の駅「のだ」にある「産直ぱあぷる」。ドングリの餡が入った「しだみ団子」がたったの240円で販売されています。
お値段はお手頃ですが、どんぐりには渋みの原因となる「タンニン」が含まれていますから、アク抜きが必要で、手間のかかるおやつでもあります。
こちらの団子は渋みを抜くために、どんぐりを天日で乾燥させて、二日かけてアクを取っているのだとか。それを丹念にすり潰し、黒砂糖などを混ぜて餡にして、小麦粉の生地で包んでいるのです。
どんぐり団子は、甘さの中にすこし苦味のあるビターな味わい。
野田村のどんぐり団子は、縄文時代のチョコレート菓子のような味わいです。
また、「産直ぱあぷる」に併設している「観光物産館ぱあぷる」では、どんぐり餡を粉末にして加えた「どんぐりアイス」もありますよ。
ほかではなかなか味わえない、どんぐりを使った郷土菓子をゲットしましょう。