毎年夏、全国からロック好きが北の大地に集まる「RISING SUN ROCK FESTIVAL」。今やライジングの〝顔〟といっても過言ではない男・祭太郎(まつりたろう)。アーティストだが、ミュージシャンではありません。20年の活動歴を経て、今もなお、「初期衝動」を忘れない男。
ライジングサンへの出演も19回目となる今年。祭太郎さんの言葉とスタイルを通じて、エゾロックの魅力をお伝えするシリーズ最終回です。
祭ブースで起こった最大のサプライズ
夏フェスは、ハマると毎年同じフェスに通いたくなります。ライジングサンも同様で、そのなかには、祭太郎ファンも多くいます。
「一年に一回しか会わないし、そんなに言葉をかわすわけではなくても、『あ、今年も来てくれてるんだ』と思うと嬉しくなりますよね。2~3年、姿を見ないなと思っていると、ひょっこり顔を出した人が、結婚して子連れになっていたり」
過去20年近くの間には、こんな出来事も。
「なんと、祭ブースでプロポーズしたカップルがいたんですよ。ふたりともライジングファンで、何度か来ていて。彼氏のほうとは事前に打ち合わせしていて、彼女にはナイショで、祭ブースに上がってもらって、いきなり。結果はもちろん成功でした」
フェスの会場で、祭太郎に祝福されて結婚。祭の二重奏。こんなにめでたいシチュエーションもないのでは? たまたま集まっていた、お互い初対面のお客さんたちも一斉に祝福してくれたそうです。
ラジオ体操ありDJありで徐々に増殖
音楽フェスの楽しみのひとつは、複数のステージをあちこちハシゴすること。ライジングサンの公式アプリでは、「マイタイムテーブル」を造る機能も備わっています。
「お客さんのなかには、祭ブースにずっと居座っている人もいて。ステージ見に行かなくていいのかな? なんて、逆に心配になっちゃう時もあります(笑)」
元々は、太鼓パフォーマンスのみから始まったのが、今やそのバリエーションは増えています。そのほとんどが、お客さんとのコラボレーション。前記事でも紹介した盆踊りはほぼ恒例。
祭太郎さんとツーショットを撮るのが恒例の常連客も多いのですが、10年前からは「集合写真まつり」も。かと思えば、大人数で「だるまさんがころんだ」をやってみたり。2日目の朝、祭ブースでのラジオ体操も恒例。
2022年のライジングサンでは、DJセットを載せたリヤカーを引いて、会場各所での出張パフォーマンスも。そこにはチラシを持って呼び込みをする、かわいい「小祭太郎」の姿も。頭にはしっかりウサ耳をつけていました。
「3才になる私の息子ですね。相当楽しかったみたいで、その後もしばらく家で『ライジングサ~ン』『祭太郎、はじまりま~す』なんて叫んでました」