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エゾロックにはウサ耳の妖精が!? 祭太郎、ライジングサンの魅力を大いに語る vol.01

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  • RISING SUN ROCK FESTIVAL 2023 in EZO 祭太郎
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  • 祭太郎
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2023年で22回目となる、「エゾロック」こと「RISING SUN ROCK FESTIVAL」。出演ラインナップは毎年変わりますが、2003年から19回連続で皆勤賞のアーティストがいます。

その名も「祭太郎(まつりたろう)」。上半身ハダカ、ウサ耳のカブリモノの男を、ライジングサンに一度でも参加したことがある人は、会場で見かけた記憶があるでしょう。でも大半の人は、「あの人、誰?」と思ったのでは? 

一人で和太鼓を叩くのが祭太郎さんのパフォーマンスの中心ですが、決して上手いわけでもなく、むしろ素人感満載。しかしだからこそ、見るものに衝撃をもたらします。その風貌も相まって。「あれはなんだ?」「自分は一体今、何を見ているのだ?」と──。

そんなナゾに満ちた、フェス会場に現れる「UMA(未確認生物)」でありながら、誰よりもライジングサンを愛し、誰よりもライジングサンに愛される男・祭太郎さんに、エゾロックに魅せられた理由とともに、祭太郎の誕生からこれまでを語ってもらいました。

 

PHOTO:Yoshisato Komaki

ウサ耳誕生のきっかけは柔道の受け身

そもそも、これほど人を喰ったようなネーミングもなかなかありません。その誕生は、2002年に帯広で行われた、デメーテルという現代アート展の関連企画への出演。

「本当は『祭太郎という架空の人物に、お悩みを相談し解決してもらう』というコンセプトだったはずが……いつのまにか、祭太郎=自分になっちゃったんですよね」

この辺りの変わり身の早さが祭太郎さんらしいところ。「柔よく剛を制す」スタイルなのです。

札幌でアート系の専門学校に通っていた際、師匠には「自分の好きなことで、自分にしかできないことをやれ」といわれていたとか。プロレス好きの祭太郎さんは、「受け身パフォーマンス」を思いつきます。相手はおらず、たった一人でステージ上で受け身を繰り返す。発想がアバンギャルドすぎます。

PHOTO:Yoshisato Komaki

デメーテルの2年前、ドイツのハンブルグで受け身のパフォーマンスを披露。でも、客は言葉も文化も異なるドイツ人。

「柔道の知識もないだろうし、そもそも、一人で受け身を続けるだけという、理解し難い行為。少しでも場を和まそうとして思いついたのが、ウサ耳のかぶりものだったんです」

しかし、場は和むどころか、かえってシーンとしてしまったとか。ところが、『うわ、これはハズしちゃったな』と思いながら、スゴスゴとステージを降りると──。

「会場中から拍手が沸き起こったんです。現代アートですし、どこからがどこまでがパフォーマンスかわからず、固唾を呑んでたんですね、みんな(笑)」

かくして、「これはいける!」と、あのスタイルがうまれたというわけです。

PHOTO:Yoshisato Komaki
PHOTO:Yoshisato Komaki

ライジングサン出演2回目にして祭太郎、覚醒

ライジングサンに初参加したのは、デメーテルに出た2002年。しかもその翌日だったそうです。ところが、

「ウサギのコスチュームを、帯広に忘れてきてしまいまして(笑)。往復8時間かけて車で取りに戻るハメに」

音楽以外の他のアーティストたちとともに、主催者側から声をかけられたのがきっかけ。ライジングサンでは、ペインティングやチェーンソーアートなど、ステージ以外にもライブが見られますが、その原点はこの年にあったといえます。

そして翌年。それまではどこか「祭太郎というキャラを演じていた」けれど、祭太郎を全身で引き受けることを決意します。異様な(しかしファンシーでもある)風体で、上手くもない太鼓をひたすら叩く。ハダカの男が一人、石狩の大地に立つ。2003年8月15日、祭太郎がエゾに誕生したのです。

PHOTO:Yoshisato Komaki

ここで初期のコスチュームを一部ご紹介。いろいろな祭太郎さんが大集合しています。

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