のびのびと自由に! 草原を駆け回る子牛たち
この山上げのなかで、ひときわ目を引いたのは、今年生まれたばかりの子牛たちです。牛舎で生まれた子牛にとっては、この牧場ははじめて目にする外の世界! 一斉に柵から駆け出して、広大な草原をうれしそうに駆けまわっています。
お母さんの牛も近くにいるので、安心しているのでしょう。放牧された子牛は母牛の母乳を飲み、牧場に生えている新鮮な草をむしゃむしゃと食べて、のびのびと育ちます。
こうしてストレスフリーに過ごすことで牛たちは健やかに育ち、お肉としても上質になっていくのです。
北東風「やませ」がお肉の旨味を育てる
取材で訪れたのは5月中旬でしたが、爽やかな風が吹いていて、まるで春先のような涼しさでした。
エリート牧場は標高600mの高さにあり、冷涼な北東風「やませ」が吹きます。
稲作農家にとっては「やませ」は冷害をもたらすやっかいものですが、放牧においてはむしろ好都合な風。
「やませ」が吹くと夏場でも涼しくなるので、暑さの苦手な牛たちにとっては過ごしやすい場所になります。また、この涼しい環境下では、牛のエサとなる栄養価の高い牧草もよく育つのです。
牛たちはやませが育てた栄養ある牧草を食べて、より健康に。さらに広大で急斜面の牧場を歩き回るため、足腰も鍛えられて、引き締まった肉質になります。
実際にこの放牧の様子を見にきて、購入を決めるレストランのオーナーさんも多いのだそうです。
牧歌的な風景に癒やされていると、この母牛たちのなかに一頭、がっしりとした体格の牛がいることに気がつきました。気になってふたたび柿木畜産のオーナーさんに聞くと、この子はオスの種牛なのだとか。
じつはここでは、牛の交配も人為的には行いません。母牛は子牛にお乳を与えながら、冬前までに新たな命を宿すといいます。
山形村短角牛の放牧では、〝できるだけ自然のままに過ごすこと〟をなにより大切にしているのです。
自然のままに育てられた上質なお肉を現地で
広大な草原に新鮮な牧草、澄んだ水という恵まれた環境で、自由にのびのびと育てられた短角牛。「できるだけ自然のままに」という育てられ方をした牛たちは、肉質も最高です。
口に入れた瞬間に広がるおいしさ。引き締まったお肉の中に、赤身特有の肉らしい旨味がつまっていて、噛めば噛むほどに味が出てきます。
この山形村短角牛は現地のスーパーや精肉店などで購入できるほか、公式オンラインショップから、ステーキ肉などのお取り寄せも可能です。
また、山形町にある道の駅、白樺の里やまがたにある食堂「食楽」では、短角牛を使った焼肉丼やハンバーグをいただくこともできますよ。
現地で買うもよし、取り寄せて持っていくのもよし。ぜひキャンプ場で、豊かな自然の中で育ったおいしい赤身の和牛、短角牛を使ったステーキやBBQを楽しんでみてはいかがでしょうか。
■山形村短角牛公式オンラインショップ