川岸に人工の露天風呂を発見!
まったり入湯を楽しんでいると、すぐそばの川岸に、東屋のようなものがあることに気がついた。
気になってそこへ行ってみると、小屋の中に人工の露天風呂を発見。
周りが囲われているので、着替えも可能なようだ。ただ、もちろんここは正式な脱衣所ではないので男女別ではなかった。
せっかくなのでこちらにも入湯してみる。
先ほど入った湯船に比べると、こちらの湯温は比較的熱め。寒い季節であっても、ここで上がり湯をすれば湯冷めはしないだろう。
また、雨の後で増水したときなどには、川の流れも速くなるため野湯には入れないが、この小屋の中でなら入浴できそうである。
静かに入湯したい人は「深夜から早朝にかけて」がおすすめ
尻焼温泉はガイドブックにも載っており、アクセスも簡単で誰でも来ることができるので、夏休みや紅葉のシーズンなどは大勢の観光客が訪れる。そのため、週末にはかなり混雑することもあり、適温でほどよい湯船のポイントに人が集中し、快適な湯浴みができないこともある。
そこでおすすめなのが、「深夜から早朝にかけての入湯」である。この時間帯は、昼間に比べほとんど人がいないので、静かにゆっくりと湯浴みを満喫できる。とくに周囲の視線が気になって混浴に抵抗感があるという女性でも、暗いと比較的安心だ。
晴れていれば、満点の星空を見上げて湯浴みが楽しめるだろう。
また、東側が比較的開けているので、運がよければ明け方に、湯けむりの中で日が昇る、幻想的な日の出が見られるかもしれない。
※一部に私有地を含む場合がありますので、野湯を訪れる際は事前に許可を取ることを推奨します。
■尻焼温泉
群馬県中之条町入山
JR長野原草津口駅からバスで約30分、そこから徒歩で約10分
【プロフィール】
瀬戸圭祐(せと・けいすけ)
アウトドアアドバイザー、野湯マニア。NPO法人・自転車活用推進研究会理事。自動車メーカー勤務の傍ら、自転車・アウトドア関連の連載、講座などを数多く行っている。著書に、全国各地の野湯を訪ね歩いた冒険譚『命知らずの湯』(三才ブックス)、『快適自転車ライフ宣言』(三栄)、『雪上ハイキングスノーシューの楽しみ方』(JTBパブリッシング)などがある。2023年8月現在、足を運んだ野湯はトータルで約100湯。