霧の中で行動するときに気を付けることとは?
山では、霧に覆われることがよくあります。霧による視界の悪さが原因で、道に迷うこともあるので、注意が必要です。
また、濃い霧の中を歩いていると、雨のような濡れ方ではないにしても、衣類や装備がしっとりと濡れてきます。着衣が濡れるのは、体温を奪われる原因ともなりますので、降雨ではなくても、レインウェアを着用した方がいい場合もあります。
なお、山から見下ろす「雲海」は、低いところにある層雲です。
風が弱くて晴れた夜に発生する「放射霧」なら、日が差し始めるとやがて消えていくので、登山の時に遭遇してもあまり心配はいりません。
ちなみに、江戸時代・享保年間に活躍したとされる盗賊「雲霧」仁左衛門。神出鬼没で、悪辣な金持ちだけを狙い、盗み働きの後はどこかに消えてしまうという怪盗です。
池波正太郎原作の小説が、映画やドラマとなって人気を博しましたが、もしかしたら雲や霧のつかみどころがなく、謎めいたイメージを、人々が仁左衛門に重ねてネーミングしたかもしれません。
【監修】
大矢康裕
プロフィール:気象予報士、気象予報士会CPD認定第1号。山岳防災気象予報士として活動。著書に『山岳気象遭難の真実 過去と未来を繋いで遭難事故をなくす』(山と溪谷社)