「雲の図鑑」vol.05で「霞(かすみ)」と「朧(おぼろ)」についてご紹介しました。
ぼんやりと空気がかすんでいる状態を、昼なら「霞」、夜なら「朧」と言葉を使い分けているのですが、今回はよく似たイメージのある「霧雲(きりぐも)」についてご紹介します。
「霧」と「雲」と「靄」って何が違うの?
霧雲は、気象用語では「層状雲」と呼びます。もこもことした形の「積雲」に対して、層状に漂うものが霧雲です。
高度による分類では、高度2000m以下の下層にあるものが「層雲」、7000mあたりまでの中層にあるものが「高層雲(おぼろぐも)」、5000m以上の高いところにあるものが「巻層雲(うすぐも)」です。
霧と雲は違うもののようなイメージがありますが、実際は同じもので、地表面に接しているものを「霧」と呼びます。気象庁の定義によると、霧とは「微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態」を指し、視程が1km以上であれば、「靄(もや)」になります。
霧が多く発生する場所とは?
霧が発生しやすい場所には、盆地や標高の高いところ、海辺や川辺などが挙げられます。富士山や伊吹山の山頂は年間の霧日数が200日以上。下界から見ると、雲に覆われた状態の日が多いということですね。
北海道や東北の太平洋側も霧が多いことで知られていますが、こちらは陸上の暖かい空気が冷たい海面に触れて発生する海霧です。
冷たい空気がたまりやすい地形である盆地も、霧が多い場所です。