コロナ禍で訪れたキャンプブームとともに、市場規模も大きくなっている登山・ハイキングシーン。厳しい冬の登山シーズンが過ぎ、雨が多く、ストレスが溜まりやすい梅雨の時期も終わり、ついに登山のハイシーズンがやってきました。
今回も引き続き、北アルプスの女王と呼ばれる燕岳に、筆者初の宿泊登山で挑戦した様子をレポートします。
過酷な登山道「合戦尾根(かっせんおね)」を越えて、頂上稜線にある標高2712mの山小屋「燕山荘(えんざんそう)」に宿泊。満点の星空と美しい日の出を満喫後、登山口の中房温泉(なかぶさおんせん)登山口に向けて下山します。
ゆるやかな道も急峻な道も体力が削られる下山道
版画のような美しさを誇る、燕岳山頂からの早朝の景色を堪能したところで、早速、下山スタートです。
中腹にある標高2350mの「合戦小屋」までの道のりは、ゆるやかで勾配もないように見えますが、登山においては、登りよりも下りのほうが足元に気を使い、疲れることが多いものです。しっかりと足元を見定めながら下山していきましょう。
また、登りに比べると周りの登山客のスピードも速いので、後ろにも気を遣いつつ、注意しながら歩いていきます。
早朝に出発すると、途中の休憩小屋である「合戦小屋(かっせんごや)」が、まだ開店していない場合があります(小屋の営業時間は時期によって異なりますので、ウェブサイトを確認してください)。
そんなケースに備えて、行動食は予備を用意しておくことをおすすめします。
「合戦小屋」を越えた後にやってくるのが、この山行のなかで一番ハードだと思われる獣道下山。
踏ん張る力が必要なので足への負担も非常に大きく、滑落の危険にも配慮しなければいけません。それゆえ、体力がガンガン削られていきます。
地面が濡れていたら、とくに注意しながらゆっくり下山しましょう。
注意はしていたものの、岩場や泥で滑って何度か転び体力が削られていきました。山頂では入浴も出来ていないですし、疲れが蓄積していたのでしょう。同行していた友人や一緒に下るハイカーの方から勇気づけられながらなんとか力を振り絞って獣道をクリアしていきます。
登山は普段交流しないタイプの方と気軽に会話したり、すれ違いざまには挨拶をしたりするのが基本なので疲れながらも精神的な癒しがあります。この時も1年分ほどの「こんにちは」を発した気がします。
道中で発見した道しるべにほっこり
登山あるあるですが、登山客が通るついでにマーキングしていったものであったり、山小屋を運営する会社が作った看板であったり、山道の途中途中にユニークな道しるべが現れることがあります。今回の山行でも、丸太の上にかわいらしい道しるべがありました。
ちなみに山道でよく見かける、枝などについているピンク色のひも。これはボランティア団体、山小屋、山岳会の方々などによって、登山者が道に迷うことがないよう、安全のためにつけている場合がほとんどなので、外さないようにしましょう。
ほかにも、登りにくい大きな岩などに鎖がついていることなどもあります。山を守ってくれる方々のためにも環境を尊重し、感謝しながら山行しましょう。