昆虫たちの意外な一面をアレコレ紹介
よく知られている昆虫の常識は、実は間違っているようです。
「セミは成虫になったら1週間で死ぬ」とか、「すべての蚊は血だけを吸って生きている」「カメムシはみんな臭い」「昆虫の天敵は鳥で、昆虫が鳥を食べることはない」などと評者も思っていましたが、意外やそうでもないよう──。意外と長生きするセミ、吸血せずに花の蜜だけで生きている蚊、青リンゴのようないい香りがするカメムシ、鳥を捕植するカマキリ……。
また、ウサイン・ボルトより早いトンボ、小さな体で5000kmも飛ぶチョウ、街を覆い尽くすほど大量発生することがある蛾、恐ろしい病気を媒介するハエなど、さすが地球上で最多の生き物。昆虫の世界ってホントに多様だなぁと感心させられます。
ほかにも、昆虫ハンターとして、世界各地へ昆虫採集にいったときのエピソードを写真とともに紹介しているコラム「昆虫絶景」、「まだまだ知られていない昆虫の都市伝説」も面白い読み物です。昆虫少年なら、巻末企画「昆虫ハンター・牧田習の昆虫ライフ」も興味津々かもしれませんね。
お子さんの夏休みの読書用にいかがでしょうか。大人が読んでもとても楽しい内容で、昆虫を見る目が少し変わるかもしれません。虫はちょっとニガテな評者ですが、怖くなさそうな虫は、これからは逃げずに観察してみようかなぁ。
【データ】
■牧田 習 著『昆虫ハンター・牧田 習のオドロキ!!昆虫雑学99』(2023年04月刊/KADOKAWA) https://www.kadokawa.co.jp/product/322211000545/
牧田 習(まきた・しゅう) 1996年生まれの昆虫ハンター。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程に在籍し、昆虫の研究を行うかたわら、テレビ神奈川「猫のひたいほどワイド」水曜レギュラー。NHK「ダーウィンが来た!」(クワガタムシ)などに出演している。
https://www.oscarpro.co.jp/#/profile/entry/164840
■評者 根岸真理
1961年、神戸市須磨区生まれ。1歳前に親に連れられて六甲登山デビュー。アルパイン歴30年の自称アウトドアライター。神戸新聞総合出版より『六甲山を歩こう!』ほか六甲山関連本を4冊上梓。神戸新聞「青空主義」欄に月イチで六甲山情報を執筆中。 http://653daigaku.com/information/14176/