海外ではまだまだ要注意! 蚊が媒介する恐ろしい感染症②
2014年に日本でも流行して騒ぎになったデング熱は、蚊が媒介する感染症として記憶に新しいのではないでしょうか。
「デング熱は熱帯・亜熱帯地域を中心に、世界中で毎年1億人以上が感染していると推計されます。感染しても発症しない人が多く、発症しても軽傷の人が多いといわれています。ですが重症化する可能性もあり、適切に治療をしないと命にかかわる状態になるため注意が必要です」と笹岡さん。
近年でも海外で感染し、帰国後に発病する輸入感染は一定数確認されています。往来が盛んになるに従い、いつまた国内で流行しても不思議ではありません。
このほかにも、日本国内での感染例はないものの、海外で確認された蚊が媒介する恐ろしい感染症はたくさんあります。
たとえばジカ熱。中南米で大流行し、東南アジア諸国でも発生が確認され問題となっていますが、その起源はなんとアフリカなのだそうです。
「ジカ熱のウイルスは、ウガンダの森に住むサルの体内から1947年に見つかりました。発症すると発熱や発疹、関節痛などの症状が出ますが、軽度のことが多く自然に治るようです。ただし、神経障害を発症したり、妊婦さんが感染すると、胎児に小頭症などの先天性障害を引き起こしたりする可能性があるといわれています」
デング熱やジカ熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介しますが、ヒトスジシマカは日本にごく普通にいる蚊。つまり、どちらも日本で流行しうるのです。
しかも、デング熱やジカ熱、日本脳炎などには、特効薬やワクチンがないのも恐ろしい点。このような感染症にかからないためには、「蚊に刺されないようにすること」が最も効果的な予防法です。
旅行や出張で外国を訪れたときは、蚊に刺されないよう、こまめに虫よけスプレーを使用するなど、日本にいるとき以上に気を付けなければならないのです。
【取材協力】
大日本除虫菊