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神秘と絶景の熊野古道を歩く vol.03 石畳の先に峠の眺望が待つ「熊野古道伊勢路.02」【近畿エリア】

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover

  • 馬越峠の石畳
  • JR紀勢本線の相賀駅
  • ごんべ洞門のロックシェッド
  • 名物のサンマ竜田丼
  • サンマの竜田サンド
  • 馬越峠の入口
  • 巨岩が鎮座する天狗倉山
  • 天狗倉山から望む尾鷲湾

元祖日本のロングトレイル・熊野古道のうち、伊勢神宮から熊野へ向かう総延長170kmのルートが「伊勢路」。鉄道が平行している部分が多いので、比較的分割して歩きやすいトレイルです。

「伊勢路」のなかでもとくに人気なのが、標高325mの「馬越峠(まごせとうげ)」を越えるパート。古道の趣を感じさせる美しい石畳と、〝木の国〟紀伊半島らしい豊かな樹林のなかを歩くトレイルで、道標などもよく整備されているため、ビギナーにもおすすめです。

紀勢本線・相賀駅からスタート

名古屋・松阪・伊勢方面から、JR紀勢本線新宮行きの列車で相賀駅まで向かいます。1日10便程度、時間帯によっては次の列車まで3時間も空くことがあるローカル線なので、事前にダイヤをしっかり調べておく必要があります。

松阪を11時台の列車に乗れば、昼過ぎに相賀に到着します(ただし、特急は止まりませんので注意を)。

駅前にコンビニなどはないのですが、30分ほど歩いた登山口近くに道の駅があり、軽い食事をしたり、サンマ寿司など食べ物を買ったりすることができます。

国道42号を尾鷲方面へ進んでいくと、「ごんべ洞門」というロックシェッドがあり、壁面に絵が描かれています。

三重県紀北町に伝わる「種まき権兵衛」のお話を紹介するものですが、相賀駅側から行くと、物語を逆順で見ていくことになります。

武士の家に生まれた権兵衛さんは、父の望みで侍の身分を離れて百姓になります。

慣れない農作業に苦心する姿を見た子どもが、「権兵衛が種まきゃ、カラスがほぜくる」と歌い囃したそうですが、それでも一生懸命精進し、権兵衛さんは村一番の百姓になります。

ある時、馬越峠に大蛇が出て、旅人を襲っているという話を聞いて、権兵衛さんは退治に行くことに。

実は権兵衛さんは、殿さまから褒美をもらうほどの鉄砲の名手でした。大蛇が出てくるのを辛抱強く待って、見事鉄砲で仕留めたのものの、その時に蛇が吐いた毒にやられて、権兵衛さんは死んでしまったそうです。

すぐ近くには、「種まき権兵衛」の俗謡をテーマにした「種まき権兵衛の里」という施設があります。

峠越えの前に地元の名物で腹ごしらえ

ごんべ洞門を過ぎると、「道の駅 海山」があります。観光案内所、休憩所、売店、トイレも完備。売店の奥には食堂も併設されており、海山の海産物を使ったメニューが味わえます。

おすすめは、新鮮なサンマを使った「サンマ竜田丼」。カリッと香ばしく揚げたサンマがたっぷり使われており、甘辛いタレとよく合います。

サンマ竜田をロールパンにはさんだ「サンマドッグ」も美味。干物を盛り合わせた干物定食も人気があります。

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