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空に浮かぶ雲の正体は何? 雲のことを知って雲と仲良くなる「雲の図鑑」vol.3〜入道雲〜

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「にゅうどうぐも」はどうやってできるの?

ところで、「にゅうどうぐも」の「入道」ですが、これは日本各地に伝わる妖怪の「大入道」から連想したネーミングのようです。「大入道」は、坊主頭の大男を指すときにも使われます。そんな「にゅうどうぐも」は、どんなメカニズムで生まれるのでしょうか。

そもそも雲は、大気中に含まれる目に見えない水蒸気が冷やされて、小さな水の粒や氷の粒になることによって作られます。

日本列島が湿度の高い太平洋高気圧に覆われる夏。晴れて強い日差しが降り注ぐと、地表面が熱せられて上昇気流が発生します。このとき、上空に普段より冷たい空気があると、雲は垂直方向にどんどん成長します。このように雲が上に成長しやすい状態を、「大気の状態が不安定」と言います。

これが地上から10km以上の高さに達するようになると、雷雲でもある「積乱雲」となります。夕立のように、一時的に激しい雨を降らせることがありますが、通常はだんだん上昇気流が弱まって、30分から1時間程度で消えてしまいます。

ところが、近年、なかなか勢力が弱まらない「スーパーセル型積乱雲」が発生して、「ゲリラ豪雨」や「竜巻」をもたらすことも増えてきました。アウトドア活動中にそのような雲に出会うと、落雷による被害のほかにも、雨による河川の増水や、場合によっては土砂崩れなどが発生する可能性もあり、非常に危険です。

川辺でBBQやキャンプをするときには、いまいる場所で雨が降っていなくても、上流域の気象変化にも注意を払う必要があります。天気予報を細かくチェックすることとあわせて、雷雲や雨雲の接近を知らせてくれるアプリなども活用し、安全に夏のアウトドアを楽しみたいですね。

                     

【プロフィール】

■本稿の監修者:大矢康裕

■プロフィール:気象予報士、気象予報士会CPD認定第1号。山岳防災気象予報士として活動。著書に『山岳気象遭難の真実 過去と未来を繋いで遭難事故をなくす』(山と溪谷社)

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