鼻炎や結膜炎を起こすアレルギーには通年性と季節性があり、通年性の主な原因はダニやハウスダスト、季節性の主な原因はさまざまな樹木や草木の花粉(=花粉症)です。
地域や気候にもよるので、アウトドアで遊ぶときは場所や時期を選ぶこともポイントです。
前回記事(https://www.sotolover.com/2023/05/19057/)では原因となるアレルゲンの除去についてご紹介しましたが、今回は花粉症などのアレルギーにおける薬物療法について、アウトドア医療のプロで救急医の稲垣先生に聞いてみました。
内服薬は第2世代抗ヒスタミン薬を使うのが一般的
一般的な花粉症(アレルギー)における薬物療法は内服薬、点鼻薬、点眼薬を使うことです。内服薬は「第2世代抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものがもっとも一般的です。「抗アレルギー薬」とも呼ばれている薬で、身近なドラッグストアでも市販薬がたくさん陳列されています。
処方薬と同じ成分が入っているもので商品名をあげれば「タリオンAR」や「アレグラFX」などがあります。一般的にはアレルギー症状を抑える作用が強い薬ほど、眠気の副作用が出やすい傾向にあるため、自身に合ったものを選ぶことが大切です。
点鼻薬はステロイドを定期的に使用
鼻腔に直接プッシュする点鼻薬としては、ステロイドを定期的に使用すると症状を抑える効果は高く、市販薬があります。ただし即効性を期待するものではありません。
同じ市販薬でも血管収縮薬は即効性がありますが、使用には注意が必要です。血管収縮薬では、一時的に鼻づまりは解消しますが、繰り返し使用しているうちに効果が弱まり、薬効が切れたときにかえって鼻づまりを起こしやすくなります。
そして、使用量が増える薬物性鼻炎という悪循環を生みます。繰り返し使用するなら例えば「ナザールαAR」「パブロン鼻炎アタックJL」のような、成分がステロイドの点鼻薬にしましょう。ステロイド系の点鼻薬は、定期的に使うことで症状を抑える効果が上がる特徴があります。