連日朝のワイドショーから夜のニュース枠まで真夏日と最高気温ネタで賑わいでいますが、ハイカーたちの本格シーズン入りを告げるものでもあります。北は北海道・利尻島。南は屋久島までの日本百名山に向けて、リュックを背中に背負って高速道や駅&空港ターミナルを行き交う人々がかしましい時期の到来です。
ということでソトラバ編集部スタッフも梅雨明け前の首都圏ハイカーに人気の百名山・大菩薩嶺へ日帰りトレーニングに行ってきました!
標高差400m少々で花と富士山と日帰り温泉の3セットが楽しめるお得なルート
大菩薩嶺は山梨県甲州市と北都留郡丹波山村にまたがる標高2057mの山で、日本百名山に名を連ねる一座です。公共交通機関を利用してもマイカー利用にしても、もっとも標高の高い登山口で1600mに位置するので、頂上までは標高差400mというもの。
下山後の帰路途中には人気立ち寄り湯もあるので、登山の汗と疲れを流して帰宅できるという2重の楽しみを味わえて「百名山に登った」と言えるというお得感満載の山なのです。統計を取ったわけではありませんが、百名山の中でも女子率が高いのは、やはり日帰り温泉効果でしょうか。まずは登山口から福ちゃん荘へのゆる〜い登りを行きます。
今回は上日川駐車場(この近くにバスの終点始発バス停でもある)にクルマを停めて、登山口から入山。最初の目印は「福ちゃん荘」。タレントの福ちゃんと無関係は言わずもがな。ここからルートは左右2本に分かれます。分岐点近くにあるトイレに立ち寄り、登りごたえのある正面左手の「唐松尾根」から山頂を目指す約1時間のスタンダードルートに踏み入れます。
こちらが福ちゃん荘近くにある分岐標識。右手周りだと全体に緩やかな登りですが、稜線終点からは激下りになります。
人気の唐松尾根ルートは振り返れば富士山
唐松尾根は最初は緩やかな登りが続きますが、程なくして岩が続く急登な場所に続きます。大菩薩嶺は夏シーズンは山野草で有名な山です。ダケカンバやミズナラ、ナナカマドはもちろんこの時期は新緑。爽やかな緑をバックにオダマキ、オトギリソウ、二ガナ、コウリンカなどが可憐な色添えをしてくれます。
ややキツイ斜度の岩場から登りの後半戦。振り返れば晴天なれば富士山の姿がちらほら。艶やかなコウリンカがお出迎え。ちょうどガスと雲が晴れて青空が広がり、見事なまでの対象色!
分岐点の稜線ほぼ正面に大菩薩嶺のアイコン「雷岩」が見えたら左手奥に進みます。大菩薩嶺の山頂を踏みに行きますが、この山の山頂は困ったことに、およそ愛想にかけます。景観ゼロ。山名標識があるだけなのですが、木々に囲まれていることで夏の登山で熱量が高まった身体を涼やかにしてくれるので助かります。