「キャンプ飯」づくりに重宝する、持ち運び可能なガス調理器具「ストーブ」。じつは使い方を間違えると大きな危険を招くことも!
そこで今回もスウェーデンの老舗・プリムス社の製品を展開するイワタニ・プリムス株式会社の広報担当・金牧秀明さんに、ストーブによる危険を回避するための正しい使い方や注意点をお聞きしました。
屋内で使うと一酸化炭素中毒に!
便利な道具も正しく使わないと、火災や健康被害など思わぬ危険にさらされることになりかねません。
vol.1の記事でガスストーブの基本的な仕組みについて説明しましたが、使用にあたってまず頭に入れておかなければならないのは、これが「屋外専用」の調理機器であるという点です。
「プリムスのガスストーブは、あくまでも屋外で使用することを前提に設計されています。使用中は空気中の酸素を大量に消費するため、屋内やテント内、クルマのなかなどの閉鎖空間で使用すると、すぐに酸欠状態となり、一酸化炭素中毒症状に陥ったり、死に至ったりする危険性があります。閉め切ったテント内で使用した場合、数分で死亡する恐れがあるといわれています。
また、倒れればすぐに引火し、火災が起こります。『寒いから』とか『風が強いから』といって、テント内や車内では絶対に使用しないでください」(金牧さん)
ガスカートリッジが加熱すると爆発
また、ガスストーブを使用する際は、ガスカートリッジが加熱されないように注意する必要があります。
「ガスカートリッジの中には圧縮された液化ガスが入っています。それが加熱されると中のガスの圧力が高まり、膨張して爆発する恐れがあります。
たとえば、風よけのためにストーブを天ぷらガードや石などで囲むと、熱が集まって滞留してしまいます。また、シングルバーナーに大きな鍋や鉄板、焼き網、スモーカー(燻製器)などを乗せると、輻射熱が大量に発生し、熱が滞留しやすくなります。
そうすると、滞留した熱や輻射熱によりカートリッジが熱せられ、内部圧力が急激に上昇して爆発につながります。とくに直結型のシングルバーナーは、火とガスカートリッジが近いので要注意です」(金牧さん)