猛暑を通り越して、都会の夏はアスファルトからの照り返しもあり、灼熱地獄といっても過言ではありません。そこで涼を求めて標高の高いキャンプ場に避難してきたけど、来てみたらやっぱりこの季節、蚊やブユ(ブヨ)はゼロではありませんでした。そこで虫嫌いな方にお届けする、夏キャンプにおける防虫対策をご紹介します。
いますぐできる防虫対策術とは?
キャンプの大敵である害虫たちは春頃から活動を開始します。なかでもキャンパーにとって厄介な存在が「蚊」です。早い場所では4月あたりから増え始め、油断をしているとそこかしこが痒い思いをすることになります。この蚊に刺されないために、しっかりとした防虫対策を施すことが大切です。
蚊は人が吐き出す二酸化炭素に集まる習性があり、体温や汗の臭い、黒い服の色にも反応すると言われています。すぐにできる防虫対策としては、吐き出す二酸化炭素量が多くなり体温が上昇する飲酒はほどほどにして、黒い服装を避けましょう。
また、汗や足の裏の臭いに集まる習性があるため、こまめに汗を拭き取り足の裏を清潔にしておくことも有効です。蚊は風に弱いためテントを張る場合には風通しのよい場所を選び、藪や林などの近くを避けるのも賢い防虫対策術です。
蚊取り線香がおすすめ!
木陰の涼しさを優先するのであればこまめに防虫スプレーを塗布し、テントサイトに蚊取り線香や蚊取りマットを置くことをお忘れなく。個人的なおすすめとしては、通常の蚊取り線香よりも、より太くて煙の量が多いアウトドア用の「富士錦パワー森林香」は頼りになる存在です。
蚊取り線香の臭いが苦手という人にはバラの香りがする「アース渦巻香/薔薇の香り」や、ラベンダー、バラ、カモミールの3種類がセットになった「アース渦巻香/アロマセレクション」を選ぶと良いでしょう。話題の商品として、懐かしの“蚊取り豚”をドライカーボン素材で作ったA-TECの「蚊取り線香ホルダー」はキャンプサイトでも注目を集めるはず。
蚊取り線香の煙が嫌だというキャンプ好きにはコールマンとアース製薬のコラボ商品として発売された「コールマンどこでも使えるアースノーマット」もおすすめです。電池式なのでキャンプサイトやテントの中でも活躍してくれるはずです。
蚊のほかにもブヨ対策も忘れずに!
同様にキャンプの大敵であるブヨ(ブユ)に刺されてしまうと、猛烈な痒みと痛み、腫れなどの症状に襲われ、体質によってはアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすこともあるので注意してください。もし刺されてしまったら患部を冷やしてステロイド系の軟膏を塗りましょう。症状が治まらないようであれば、速やかに病院へ行き適切な処置をしてもらうことが大切です。
そんなブヨに刺されないためには露出の多い服装を避け、ブヨに効果のある防虫スプレーをしっかりと塗布すること。蚊取り線香や蚊取りマットは「蚊」の名前が付いていますがブヨにも有効です。また、ブヨはミント系の臭いを嫌うとされ、ハッカ油やペパーミントの香りがする防虫スプレーやグッズを携帯するのもおすすめです。
最近ではブヨや蚊の天敵であるオニヤンマ(大型のトンボ)を模したブローチの人気が高く、帽子やシャツ、テントの入り口に装着することで防虫対策になるといわれています。色々なメーカーから商品が発売(1000円〜1500円程度)されていますが、100均のセリアからも100円商品としてリリースされたので使ってみるのも面白いかもしれません。
スズメバチの巣には近づかないことが大切
これからの季節、もっとも注意しなければならないのが「ハチ」です。なかでもスズメバチは4月から5月に巣分かれをして、新しい女王蜂が巣作りを始めます。スズメバチの巣は木の上や軒下というイメージがありますが、倒木や土の中に巣を作ることもあります。藪や森の散策中に不要に踏みつけてしまうと大変なことになるので注意してください。
スズメバチを見つけた時は走らずにゆっくりと退散し、決して刺激をしないこと。スズメバチは顎を鳴らしてカチカチという威嚇音を発しますが、このカチカチという音はそれ以上近づくなという警告なのです。スズメバチから身を守る方法は多くはありません。
巣やスズメバチを見つけたら絶対に近づかないようにすることが最大の防御策です。さらに、スズメバチが攻撃対象として認識する黒や濃茶色の服装をしないこと、強い臭いを発する香水や整髪料、柔軟剤は禁物です。この黒や茶色の服装、強い臭いを攻撃対象とみなす習性は、天敵である熊への防御だと言われています。