アウトドアで活動する際、最も気になるのは天気ですね。天気しだいで、行動範囲は大きく左右されますし、場合によっては、キャンプを中止にしたり、撤収したりといったこともありえます。
とはいえ、アウトドアライフを楽しむうえでは、天気と上手に付き合うことも必要になります。そんなとき、「観天望気」という天候を先読みする方法が役立ちそうです。いったいどんなものなのか、アウトドア活動に詳しい打越俊浩さんに教えていただきましょう。
自然界の現象や生物の行動などから天気を予測
「観天望気とは、自然界の現象(空模様や霧、露など)の変化や生物の行動などによって天気を予測する術のことです」(打越さん)。例えば、誰もがよく知っているものとしては、「きれいな夕焼けの翌日は晴れ」というのがありますね。
観天望気は天気を占うことわざで、気象学的にも実証できるものも多いそうです。もちろん、現代の天気予報はかなり正確で、スマホアプリでもリアルタイムに状況を知らせてくれたりします。でも、自然現象から予測するというのはアウトドア派としては魅力的ですし、「実際、当たる確率も高いといえます」(打越さん)
キャンプで役立ちそうな「観天望気」を覚えておこう
ここでは、数ある観天望気の中から、キャンプで役立ちそうなものをいくつかピックアップしてご紹介しましょう。
「飛行機雲がすぐに消えると晴れ」
飛行機が作り出す飛行機雲。これがすぐに消えるということは、上空の湿度が低いためで、晴れに向かっていることになります。逆に、飛行機雲がなかなか消えないときには、天気は下り坂です。これは、上空の湿度が高いためです。
「朝、蜘蛛の巣が露で濡れていると晴れ」
夜間、高気圧に覆われていると、翌朝は放射冷却によって朝露が降りやすくなり、その朝露で蜘蛛の巣が濡れます。夜間から高気圧に覆われているため、その日は天気が大崩れする確率が低くなるというわけです。
「ツバメが低く飛んでいるときは雨になる」
ツバメがよく捕食するのが羽虫。羽虫は湿度が高くなると、低い場所を飛びやすくなるため、それを捕食するツバメが低空飛行をするということは湿度が高いということです。その後の天気が崩れやすいというサインにつながります。
「夕焼けがきれいだと晴れ」
天気は西から変わっていきます。夕焼けがきれいということは、西側に雲が少なく、天気の崩れの心配がないことにつながります。ちなみに、天気予報で全国各地の予報を紹介するときに、九州・沖縄から東に向かい、最後は北海道の天気を紹介する場合がほとんどですが、これは、西側から天気が変化するため、その順番で各地の天気を紹介しているのです。
「うろこ雲が発生すると天気は下り坂」
うろこ雲は、比較的高度の高いところにできる雲の一つです。うろこ雲は大気が不安定なときにできやすいので、天気が下り坂ということになります。