いまや「キャンプ」は日本を席巻する一大ブームとなり、週末のキャンプ場はどこも満員御礼の大盛況。加えて、都市部にあるリゾート感がたっぷりの人気BBQ（バーベキュー）場は予約すらなかなか取れない状況と聞く。そんなBBQ（バーベキュー）の醍醐味は、シンプルに肉を喰らうこと。

キャンプ場はもちろん、BBQ場ではモクモクと煙を上げてBBQで舌鼓を打つ人たちで溢れています。そのため、郊外のホームセンターでは主力商品としてBBQコンロが爆発的に売れ、いまでは「一家に一台」といわれるほど、急速に普及しています。

キャンプ場では、タレに漬け込んだカルビ、ロース、ハラミなどの美味しいお肉を堪能し、冷たいビールを喉に流し込む。それはまさに珠玉のとき。そして「BBQ最高！」と心の中で叫ぶのであります。ところがBBQの語源を調べてみると驚きの事実が発覚。なんとボクたちが日頃から楽しんでいた「BBQ」は真っ赤なニセモノであり、ただの「野外焼肉」に過ぎなかったという結論です。

BBQの語源はじつは丸焼きだった！

「夏だ！キャンプだ！　BBQだ!!」と気分が盛り上がっているアウトドア好きも多いかと思いますが、「BBQ」とはどういう意味なのかを知っていますか？　ボクもBBQが「バーベキューの頭文字」であることは理解していましたが、「バーベキュー」の語源については全く知識がありませんでした。

昔から「野外で肉を焼く＝バーベキュー」としか考えておらず、そのルーツを探ってみるとコロンブスが活躍した大航海時代へと遡り、カリブ海に浮かぶ西インド諸島に上陸したことから始まったといわれています。

島民たちの「バルバコア」という言葉がスペイン語に転訛されて「Barbacoa＝丸焼き」となり、さらに英語の「Barbecue（バーベキュー）」へと変化していきました。要するにバーベキューの語源は「丸焼き」であって、薄いスライス肉を焼く行為はバーベキューにあらず……という事実。

塊肉を焼くだけなら仕込みいらず？

本当の意味を知ってしまったいま、分厚い肉の塊を大型のBBQコンロで焼くアメリカンスタイルこそが王道であり、ボクたちが楽しんでいたのは野外での焼肉に過ぎないという悲しい現実。まぁ、どんな意味があろうとも、日本人にとってBBQは外で肉を焼いてワイワイすることに違いはありませんが、知ってしまった以上、本当のBBQに挑戦するのもおすすめです。

個人的な話しで恐縮ですが、ボクがBBQに行くときにはコストコで肉の塊を買って自宅でスライスしていました。ところが塊で焼くのが王道ならば面倒な仕込みもいらず、BBQコンロに肉の塊を“ドカン”と乗せるだけでOK。ただし、火の通りがよいスライス肉とは違い、ブロックの肉や切り分けていない骨付きのリブ肉を焼くには、コツが必要になるので簡単にレクチャーいたします。

肉の下処理をすることで食感＆美味しさ倍増！

まず、牛肉の塊はそのまま豪快に焼いてもOKですが、より美味しさを求めるのであればトリミングを行いましょう。トリミングとは不要な脂やスジを取り除くことで、丁寧に作業を行うと食感がよくなります。事前に塩を擦り込んでおくと、ドリップと呼ばれる肉の臭みとなる余分な肉汁が出てくるので、キッチンペーパーに包んでドリップを取り除いておくとよいでしょう。

肉の塊を焼く場合には必ず常温へと戻し（※重要なポイント）、炭が熾き火になってから肉を載せることが鉄則です。火が強いと表面だけが焦げてしまい、中が生のままになってしまうので注意して下さい。また、熾き火で焼くことで炭の遠赤外線で中までじっくり火を通すことができます。

また、遠赤外線効果と焼き過ぎを防止するためにフタをするのも有効です。しかし、日本で売られているBBQコンロはスライス肉を焼くことを前提としているため、フタが付いているコンロは少数派です。アメリカンブランドのコールマンなどは、本場ということもありフタ付きのコンロを数多く販売しているので、購入するときの候補として考えるのもおすすめです。