乗用ミニバンはそのクルマが持つ快適性が魅力
逆にハマリ度が20~60%の場合、年に数回のキャンプや車中泊のためにDIYを行う人は少数派であり、たった数日のために装備が充実した乗用ミニバンの日常的な快適性を捨てることはおすすめできません。
最近の乗用ミニバンはシートアレンジの幅が広がり、手を加えることなく十分に車中泊が楽しめるように設計されています。豪華な内装を持つ快適な室内は防音性にも優れ、商用バンと比べて外気温の影響も受けにくいので、車中泊を楽しみたいという人にはおすすめです。豪華なインテリアを持つことで積載性は商用バンよりも劣りますが、自転車や趣味の道具を満載しないのであれば車中泊を十分に楽しむことができます。
ラグジュアリーな乗用ミニバンを選ぶ場合に分岐点となるのが、2列目シートのキャプテンシート仕様とベンチシート仕様のどちらを選ぶか? という問題です。結論を先の述べると、車中泊しないのであればキャプテンシート仕様に軍配が挙がりますが、車中泊することが前提であればベンチシート仕様のほうがフルフラットな空間が作りやすいといえます。その場合、もちろんエアマットなどでフラットな寝床を確保することがマスト。ただし、日常的に乗用使用で快適性を求めるのならキャプテンシート仕様を選ぶ方が正解といえます。つまり、車中泊キャンプのハマり度が50%以上を超えてくるのであれば、ベンチシート仕様がおすすめとなります。
【まとめ】
商用バンと乗用ミニバンは似て非なる乗り物であり、決して並列で比較検討するものではありません。1年365日のうち「車中泊」がどれくらいのパーセンテージを占めるのか、日常の快適性を捨ててアウトドアやキャンプを優先するのかが選択の別れ道となります。
ハマリ度が高く「クルマに乗るのはキャンプだけ」という人ならば商用バンは自分だけの秘密基地として最適であり、ハマリ度が低く「車中泊は年に数回」という人であれば快適な乗用ミニバンを上手に活用することをおすすめします。商用バン、乗用ミニバンのどちらを選ぶとしても決して安い買い物ではありません。もしも手に入れたいと考えているモデルがあるのなら、一度レンタカーを借りてみて「車中泊」を試してから購入するのも賢い方法となるので、ぜひ1度試してみてはいかがでしょうか!