トンボも子どもの頃は水の中【ヤゴ】
成虫である飛んでいるトンボを見ることはよくありますが、ヤゴは出会える機会が少ないのではないでしょうか。トンボの仲間の幼虫を総称してヤゴと呼びます。
ヤゴは世界中の熱帯・温帯域の水のきれいな川や池に棲息しています。ボウフラ、アカムシ、ハエ、を食べます。7~13回ほど脱皮を繰り返し、羽化までにふつう1~3年ほどかかります。
【データ】
■トンボ目
■生息地 熱帯・温帯地域
ヘビでもムカデでもありません 【ヘビトンボ】
成虫は40mmを超え、羽まで合わせると100mmにもなる大型の昆虫です。その幼虫は川の中・上流域に棲み付きます。
ヘビトンボの幼虫は清らかな水を好むため、彼らが暮らしている川はひじょうに清らかな水質であることを示しています。噛みつかれたときの痛みが、ヘビに噛まれたくらい痛いため、名前に「ヘビ」と付いているといわれています。
【データ】
■ヘビトンボ目 ヘビトンボ科 ヘビトンボ属
■生息地 日本各地
子どもを背負う水中昆虫界随一のイクメン【コオイムシ】
水田や流れの緩い用水路で暮らしているコオイムシは、雄が卵を背負って保護します。メスは一度に50~100個程の卵をオスの背中に産み付けます。農薬散布や水田の減少により数が減ってしまいましたが、農薬の使用制限にともなって、生息数が回復傾向となっています。
前肢が横へ広がっている形状をしていて、カマキリのように振りかざすことで、餌であるメダカやオタマジャクシを捕獲しています。びっくりすると泳ぎ回る習性があります。
【データ】
■カメムシ目 コオイムシ科 コオイムシ属
■生息地 日本全国
昆虫というと陸で生活しているイメージがありますが、意外に多くの昆虫たちが水の中や水上で暮らしています。脅かして逃げられないように、そっと覗いてみてください。水辺に行く際には落ちたりしないように、注意しましょう。
【取材協力】
■サンシャイン水族館