夏用パジャマで挑む! ドキドキのテント泊初体験
そ、し、て、最も大変だったのが夜。
ホテルの大浴場を借りて、すっかり暖まった私は意気揚々と初めてのテント泊へ向かいました。あとはこのまま、ほかほか朝まで眠るだけです。
毛布が三枚もあったので、私はワンピースで、Mちゃんは夏用のパジャマでエアーベッドに横たわりました。
テント内には毛布が3枚もあって暖かい……のですが、驚きのスピードで外気がその温もりを奪っていきます。徐々に体から暖かさが奪われ、毛布の中が冷えていき、夜が更けるごとに四角いエアーベッドが氷かと思うほど冷たくなっていきます。
時期は三月頭。実質二月!
「春キャンプ♪」と思ってペラペラの薄着でやって来た私たちは完全に間違っていたのです。
アウトドアにハプニングは付きもの……(ハプニングではない。自分のせい)。
ワンピースから出た脚がとにかく寒い、というか冷たい!
朝まで寝たのか寝てないのかよくわからないまま、一晩中うさぎが穴を掘る音を聞いていました。
東京に帰ってから友達に話したら、「ワンピースって何⁉︎」と大変驚かれました。大反省。
いつかナイフ一本持って山に入る時には、厚着をしていこうと思いました。いい勉強です。
日が昇ってテント内が少し暖かくなった午前7時頃、ようやく就寝。お日さまって偉大だ~。私って愚かだ~。
午前9時頃、テントを出てすぐのハンモックに移動しました。
ようやく体も暖まって、またうさぎに囲まれながら海を眺めます。
遠くのテントから出てきた親子が、冬のような服を着ているのを見て、なるほどああいう服を着るべきだったのかと理解した私でした。
■取材協力:休暇村大久野島
【プロフィール】
姫乃たま
1993年、東京都生まれ。10年間の地下アイドル活動を経て、2019年にメジャーデビュー。同年4月に地下アイドルの看板を下ろし、現在は文筆業を中心にラジオ出演や音楽活動をしている。
2015年、現役地下アイドルとして地下アイドルの生態をまとめた『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)を出版。著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『永遠なるものたち』(晶文社)など。音楽活動では作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『パノラマ街道まっしぐら』『僕とジョルジュ』などがある。