珍しい「竹和紙」で葉書づくりに挑戦!
さて、ビジターセンターに到着し、広島県竹原市の特産品である「竹」を使った和紙作り体験がスタート。
小学校の頃、学校の課外学習で和紙を作ったことがあって、あれ以来、もう一度やってみたいと思っていました。あの時はどんな素材を使ったのか忘れてしまいましたが、今回は竹を原料にして、竹和紙葉書を4枚つくります。
和紙づくりといえば、コウゾ、ミツマタ、ガンピを原料にすることが多いと調べていたので、竹で作れるのは珍しいような感じがして楽しみです。
竹で作ると知った時、本当は山に入って竹を刈るところからやりたくなったのですが、今回は竹原市の竹をお借りすることになりました。
職員の方にお伺いしたところ、和紙作りのための竹は一年間ふやかしてから、八時間煮るそうです。気軽にやろうとしていた自分のアホさ加減にびっくりします。
まずは八時間煮てどろどろになった竹を、水を張った葉書四枚分のサイズの枠に流し込みます。
その後、水と一緒によくかき混ぜたら、一緒に飾りの枯葉を入れます。葉っぱは大久野島のものです。
引き上げて水をぬいたら、和紙の余分な部分をヘラで丁寧にとっていきます。やわらかいので慎重に……。
少し乾いてきて、だんだん和紙らしくなってきました……!
ひっくり返して和紙を出したら、表面が綺麗になるようにハケでならします。
最初に風で乾かしてから、こちらの大型のプレス機で数回挟んで熱して、本格的に乾燥させていきます。
完全に乾いたら完成! 30分ほどであっという間に、私でも四枚の竹和紙葉書を作ることができました!
1枚だけ形がよれてしまったものもありましたが、それも味という感じです。何より、どれも思っていたより丈夫にできていて感動。飾りの枯葉を入れた葉書が特にきれいに仕上がったので、これを手紙に使おうと思います。
ほかにもビジターセンターでは、大久野島で集めた植物を使って、木の実でできたうさぎの置物やリースなどを作る体験もできます。
事前予約をすれば自分で拾い集めた植物で作ることもできますし、時間がない観光客の方は、キットで用意してもらうことも可能とのこと。思い出作りにぴったりです。
このキットで使う植物を集めているのが、ビジターセンターの職員の方や、頻繁に島に訪れる常連さんたちだそうで、とても素敵。季節によって変わる植物を、楽しみながら集めている様子が思い浮かぶようです。
植物の中でも、島で拾える「シナサワグルミ」という実がうさぎの顔の形をしていて可愛い! 絵の具で白く塗って顔を描けば、完璧にうさぎさん! お子さんからお年寄りまで人気だそうです。
結局手紙は東京に住んでいる90歳の祖母に書くことにしました。
「これからも元気で、長生きしてね」
あれこれ書こうか悩んだけど、葉書を前にするとこれに尽きます。
私でもきちんと作れた竹和紙葉書ですが、きちんと厚手の封筒に入れて、翌日、忠海港のフェリー乗り場のポストに投函しました。
フェリー乗り場のポストは、ピンク色の可愛いポストです。
【プロフィール】
■姫乃たま:1993年、東京都生まれ。10年間の地下アイドル活動を経て、2019年にメジャーデビュー。同年4月に地下アイドルの看板を下ろし、現在は文筆業を中心にラジオ出演や音楽活動をしている。2015年、現役地下アイドルとして地下アイドルの生態をまとめた『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)を出版。著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『永遠なるものたち』(晶文社)など。音楽活動では作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『パノラマ街道まっしぐら』『僕とジョルジュ』などがある。
■ホームページ:http://himenotama.com
■Twitter:https://twitter.com/Himeeeno
■取材協力:大久野島ビジターセンター