夏のレジャーシーズンを前に、キャンプをはじめようと考えている人も多いのではないでしょうか。キャンプをはじめるにあたり、初心者にとって「キャンプ場」のロケーション選びで失敗してしまうと大きな試練になります。キャンプは自由を楽しむ趣味なので「山」であろうと、「海」であろうと、「湖」であろうと、自分の好きなスタイルでロケーションを選べば問題ありません。
しかし、環境への対応力のスキルがどうしても低いキャンプ初心者は、できるだけネガティブな要素が少ない場所を選ぶことが、快適なキャンプが楽しめるか、そうでないかの分岐点になるかもしれません。キャンプ経験者の先輩たちは、色々な失敗を積み重ねてきた経験則に基づいて、キャンプ場を選んでいるのです。
キャンプ場の設備やロケーションだけでなく、快適性を左右する「季節的要因」をしっかりと考慮することが、快適なキャンプを楽しむための秘訣になります。ここでは春から夏へと移行する季節に限定した、キャンプ場選びのポイントをレクチャーしますので、参考にしてもらえれば幸いです。
山のキャンプ場は「防寒対策」と「防虫対策」が必要!
新緑の季節を迎えた山のキャンプは気持ちのいいものです。蚊やブヨなどの害虫が出始める季節ですので、夏ほど活発ではないのも大きなポイント。しかし、森に囲まれたキャンプ場では害虫対策を怠ると痛い目に合うのも山キャンプのあるあるです。防虫スプレーや蚊取り線香をしっかり用意しておきましょう。最近ではスプレーするだけでテント周辺を虫からバリアできる防虫剤があるなど、様々なアイテムが揃っています。
そして、山のキャンプ場は標高が高いロケーションでもあり、目指すキャンプ場の標高を事前にチェックしておくことが必要です。一般的に標高が100m高くなると気温は0.6℃ほど下がるといわれ、標高1000mの場所では6℃下がる計算になります。日中であれば涼しくて快適に思えるかもしれませんが、重要なのが最適気温。都市部で最低気温が15℃とすると、標高の高いキャンプ場では9℃ということになり、夜間や朝方はかなり冷え込みます。
夏の装備しか持って行かないと朝方に寒い思いを強いられ、体調を崩してしまう可能性もあります。そして、夏を迎える前には「梅雨」がやってきますが、雨が降り続けるこの時期は気温が急激に下がることもあり、夏を意識した軽装備でのキャンプは禁物。シュラフの快適温度をしっかりと確認し、対応温度が適していない場合には、インナーシュラフや毛布などを持って行くことをおすすめします。
海開きする前に絶対に入らないこと!
五月晴れの空と青い海。絵にかいたようなロケーションが味わえる海のキャンプ場ですが、4月〜6月であっても想像以上に水温が低いので注意が必要です。海開きのあとであれば、監視員やライフセーバーを配置する海水浴場も多いのですが、監視員がいない海開き前は海に入るのはやめましょう。また、海水浴シーズンには砂浜が整備され、ゴミやガラスなどの危険物が取り除かれることも多いのですが、春は砂浜にガラスの欠片などが残されている可能性があるので注意してください。
砂浜だけでなく磯場も同様で、春先は風の強い日も多く、海が時化(荒れて)ている場合は高波にのまれないように注意してください。波に足をさらわれて転倒すれば、ゴツゴツとした岩場で大けがを負うことも考えられますし、海辺のキャンプ場は温暖で標高差がないことから気温自体は安定していますが、強風から逃れる場所が少ないのが特徴です。強風に備えてしっかりとしたペグを使用し、風に煽られてテントやタープが飛ばないように気を配りましょう。とくに砂地のキャンプ場ではペグが抜けやすいので、テントに付属している安価なペグではなく、長めのペグや強度の高い鍛造ペグなどを用意しておくことをおすすめします。