キャンプスタイルが多様化するなかで、テントと言えばドーム型が定番でしたが、いまではツールーム型やシェルター型、ロッジ型に加え、空気を送り込むだけで立つインフレータブルテントなどもあります。どのテントが使い勝手に優れるのか?と聞かれると、テント選びでは収容人数やデザイン、幕の色や価格など十人十色と言えます。
ワンポールテントの設営は「カンタン」ってホント?
そんななか、ワンポールテント(ティピーテント)が注目されるようになり、ドーム型のような複数本のフレームを使い設営する必要がないためか、『ワンポールの設営はカンタンですね!』と言った意見が聞かれるようになりました。ティピーテントの歴史に少し触れると、そのルーツはインディアン(ネイティブアメリカン)が使用していた時代へと遡ります。このようなテントは「ティーピー」、「ティピ」とも呼ばれ、束ねられた細い柱の先端を縛り、土台部分を広げた円錐形の支柱になめした革や布を被せていました。
そのイメージを現代風に進化させたのがワンポールテントやワンポールティピーであり、テントの中心部にメインポールを立て、円錐形を構成する柱の代わりにガイロープとペグを使うことで、簡易化されています。
現代風にアレンジされたとは言え、昭和の中頃に映画やテレビで人気を博していた西部劇に登場したインディアンのテントにミドルエイジたちは懐かしさを感じてしまいます。そのイメージとして「旧式、時代遅れ=設営が面倒」と言うイメージが先行してしまい、近代キャンプには向いていないのではと敬遠されているのかも知れません。
ワンポールテントの設営手順をご紹介!
では、ワンポールのティピーは本当に設営が難しいのでしょうか? その答えは「NO!」と言えます。最近のワンポールテントは、手順さえ覚えてしまえば10分程度で設営することが可能です。基本的なテントは小型なものなら5角形や6角形、大型なテントになると8角形というのが一般的。
設営はインナーテントを広げて土台となる床部分にペグを打つのですが、この時にシワにならないように“ピン”と張るのがコツです。そして、入口部分からテントの中へと潜り込み、インナーテントの頂点部分にポールの先端を差し込んで、ポールを持ちあげます。
次にポールの根元部分をテントの中心部に据えるのですが、ポールの根本を差し込むための基礎が装着されている商品もあるので初心者にもおすすめです。これで設営作業は終わったようなもので、あとはフライシートを被せて6本(6角形)、または8本(8角形)のペグで固定、またはフライシート用に打ち込んだペグにガイロープ(ストームロープ)を固定すれば完成です。
商品によってはインナーテントとフライシートを重ねてからポールを立てるものもあるので、購入する時の参考にしてください。テントを構成するパーツが少なくペグさえ打ち込めれば、設営は簡単なのですが、ワンポールテントはシワがなくピンと張るのが重要です。少しでも弛んでいるとだらしなく見えてしまうので注意が必要です。